四国財務局の諮問機関「国有財産四国地方審議会」の第75回会合が9月25日に同局内で開かれ、「高松市に所在する国有地を社会福祉法人光寿会に売り払いする」案件など諮問事項4件と「徳島市に所在する国有地と徳島県有地の交換」に了解を求める事項1件について審議。国有地の処分方針について「適当」と認める内容の答申を行った。四国財務局では同答申を受け、用途廃止などの手続きを進め、地方公共団体を含む事業主体との売り払いの手続きに入る。売り払い時期は2015年度から16年度の予定。徳島の案件(交換)は、徳島地方裁判所庁舎建て替えに伴い生じる余剰地と、徳島県有地(徳島県立聾学校跡地)を等価交換する内容。現時点で行政財産の用途廃止・引き継ぎは完了しておらず、県の施設整備内容も計画段階であるものの、事業の緊急性等を踏まえ局の対応方針を示した。交換時期は17年度になる予定。
同審議会に諮問した案件は▽「高松市に所在する国有地を社会福祉法人光寿会に売り払い」▽「高松市に所在する国有地を高松市土地開発公社に売り払い」▽「高松市に所在する国有地を社会福祉法人長尾福祉会に売り払い」▽「高知市に所在する国有地を高知市に売り払い」―の4件。了解を求める事項は「徳島市に所在する国有地と徳島県有地を交換」の1件。
国有地の売り払いのうち、高松市内に所在する3件はいずれも「国家公務員宿舎の削減計画」に基づく廃止宿舎(宿舎跡地)の処分。幸町住宅(高松市扇町2ノ10ノ1)は土地(宅地)2341・21平方bと建物が鉄筋コンクリート造5階建て延べ1573・40平方b(建築面積314・68平方b)、陸屋根、20戸の住宅1棟と、物置等64平方b。このほか樹木(貝塚伊吹)14本、工作物(囲障、水道等)一式がある。
これを光寿会(高松市西町4ノ1、中條比紗美理事長)に随意契約で本年度内に売り払う。光寿会では同跡地を特別養護老人ホームの職員寮や老人居宅介護等事業所敷地に利用する計画。
同会が運営する特別養護老人ホーム「あかね」は入所待ちが約250人(7月末現在)を超え、老人養護施設が不足していることや、高松市から委託を受けている老人介護支援センターと「あかね」からの連携距離から、売り払いを求める国有地が整備適地と判断した。同会では用地購入後に施設整備に着手。職員寮は16年5月、老人居宅介護等事業所は17年5月に開所する見込み。
このほか諮問3件と了解事項1件の概要は次の通り。
▽「高松市に所在する国有地を高松市土地開発公社に売り払い」―「えびす住宅1号棟・2号棟」(高松市木太町字夷村3429ノ1)。土地(宅地)5169・57平方bのうち約2800平方b。建物(住宅・鉄筋コンクリート造4階建て延べ1936・72平方b、陸屋根、雑屋・ポンプ室等43・9平方b)、立木竹(樹木)貝塚伊吹等15本、工作物(囲障、水道等)一式。
宿舎跡地を用途廃止後に高松市土地開発公社に16年度に随意契約で売り払う。高松市公共事業用地(都市公園敷地等)の先行取得用(都市公園木太えびす公園(仮称)等)。1小学校区に1公園を目標に適正な公園配置を目指す市が、木太小学校校区に整備する。16年度国有地を取得後に17年度から公園整備等に着手し18年度の供用開始を目指す。
▽「高松市に所在する国有地を社会福祉法人長尾福祉会に売り払い」―「花園住宅(1号棟)」(高松市花園町3ノ546ノ7)。土地(宅地)2147・06平方b。建物(住宅・鉄筋コンクリート造5階建て延べ1238・40平方b、陸屋根1棟。雑屋・物置等81・22平方b)、立木竹(樹木)貝塚伊吹等45本、工作物(囲障、水道等)一式。建ぺい率60%、容積率200%。
宿舎跡地を用途廃止後に社会福祉法人長尾福祉会(さぬき市昭和1032、村尾卓明理事長)に随意契約で16年度に売り払う。長尾福祉会では幼保連携認定こども園の施設敷地に充てる。16年7月に施設整備に着手し18年4月の開園(事業認定)を目指す。
▽「高知市に所在する国有地を高知市に売り払い」―租税物納。土地(雑種地)高知市中秦泉寺字鷹通49ノ2外3筆。国有地5筆2632・41平方bのうち2052・27平方b。建ぺい率60%、容積率200%。
高知市に随意契約で16年度に売り払う。同市では保育所建て替え敷地にあてる。現在の保育所建物が1974年建築の木造平屋建てで、老朽化が著しく耐震性不足であるため、南海トラフ地震に備え待機児童解消も併せ目指す。現地建て替えが困難であることから県道への接道条件の良い国有地での建て替えを計画した。取得は16年度第1四半期を予定し、16年度当初予算に土地購入と建物設計費用を計上し17年度に建設する予定
【了解を求める事項】
▽国有地と徳島県有地の交換―徳島地方裁判所余剰地(国有地)(徳島市徳島1丁目5)の土地約4000平方bと、徳島県有地・徳島県立聾学校跡地(徳島市徳島2ノ104)のうち一部の土地と交換する。交換は17年度に随意契約で行う予定。徳島県では徳島東警察署の建て替え用地として使用する。
徳島地方裁判所の建て替えに伴い生じる余剰地(庁舎跡地)の処分(交換)。交換する国有地は17年度に徳島地方裁判所から用途廃止後に四国財務局が普通財産として引き継ぎを受ける予定。徳島県有地は14年3月末まで徳島県立聾学校敷地として使用。同4月1日に同校が別地に移転した(徳島聴覚支援学校)ため、現在は更地。
提供:建通新聞社