福島建設工業新聞社
2015/10/02
【福島】URが基本設計でプロポ/大熊・大川原地区復興拠点整備
大熊町が復興拠点の第1弾として整備を計画している大川原地区整備事業は、今年度で許認可手続きを進め、年度内の事業認定を目指す。早ければ28年度に用地買収と造成工事に入り、建築計画物の設計・建築にも一部着手したい考えだ。町は復興まちづくりに関して都市再生機構(UR)と協定を締結し、URが26年度に同地区の基本計画検討(基礎調査)を実施。今年度は都市計画や農地転用など許認可手続きに必要な図書を整備するため、基礎調査をベースとした基本設計を行う。URは1日、簡易公募型プロポーザルによる基本設計業務受託者の選定手続きを開始した。
基本設計の参加形態は単体かJV。主な資格要件は、@UR東日本地区「土木設計」登録A17年度以降の同種・類似業務実績など。単体とJV代表は宮城県か本県に営業拠点等所在(技術者1人以上常駐)も条件。
参加表明書提出期限7日、技術提案書提出期限21日。提出先はいわき市の福島復興支援部計画調整チーム(担当=中村、磯田氏)で、いずれも日時を電話予約のうえ持参する。見積もり合わせは11月2日午後2時、仙台市の宮城・福島震災復興支援本部で行う予定。参加者1者の場合は手続きを中止し、再公募する。
業務内容は@設計条件の整理A地区整備の方向性B整地設計C道路設計D雨水汚水排水・農業用水設計E供給施設設計F段階的整備計画G総工事費概算H関係機関協議I都市計画図書作成J計画概要説明資料作成。履行期限は28年3月11日、業務規模は4900万円(消費税込)程度を想定している。
事業計画地は、町南端で常磐自動車道を挟む約50f。常磐道西側を商業・公益施設エリアと住宅エリア、東側を産業・研究エリア等とする計画で、住民帰還へ向けて行政機能の一部や医療、商業、消防・警察、金融等機能を先行整備する方針だ。住宅エリアは復興公営住宅などの集合住宅エリアと、自力再建用の戸建て住宅エリアに分ける方向で検討する。
基本設計業務では、社会基盤の設計のほか、現実化する具体的な地区整備案を作成する。
先行整備エリア約15fの段階的整備計画も策定する。段階整備の工事手順を検討し、手順に合わせた仮設計画、数量、年度別工事計画などをまとめる。
町は今年度、URによる基本設計作成と並行し、地権者との用地交渉を本格化させる。併せて許認可手続きを進め、年明け以降早期の復興整備協議会への議案提出、年度内の事業認定を目指す。
許認可手続きや用地交渉が順調に進めば、28年度に用地買収着手し、造成工事に着工させたい考え。一部、建築物の設計、着工も見込んでいる。