県産材の活用促進と中大規模な木造建築の推進について学ぶ全5シリーズの講座「ふくいの木づくり建築塾」(主催/県、主管/一般社団法人福井県建築士事務所協会)が26日、開講した。
県内の建築士や自治体の建築主事らを対象に、木造設計に必要な知識や技術を習得するための講座で、今回が初開催。初回は坂井市丸岡町の県総合グリーンセンターで開かれ、90人が参加した。
開講式では県農林水産部の鈴木昌一技幹、同協会の櫻川幸夫会長が塾の趣旨や目的などを紹介しながら挨拶し、実り多いものになるよう願った。
引き続き、初回のテーマである「県産スギの品質と強度性能」、「県産材の生産と流通」、「CLT(クロス・ラミネイティド・ティンバー)工法による新たな中大規模木造建築」の順に講義が行われ、参加者は熱心に聞き入った。
このうち、CLT工法の講義では一般社団法人日本CLT協会の河合誠専務理事がその特長や国内外での施工事例などを紹介。CLTは板を互いに直交するように張り合わせた厚型パネルのことで、並行方向に張り合わせる従来の集成材に比べ、強度や断熱、遮音、耐火性に優れるという。国外では10階建てのアパートや5階建ての高齢者施設、国内でも3階建ての社員寮やアパートなどが国の認定を受けて施工されているが、今はまだ標準的な設計法や技術的基準の整備を待つ段階で、普及に向けた取り組みを加速している状況とした。
親子で楽しむ住まいづくりフェア/住宅の設計コンペ表彰も
また27日には福井県地域住宅産業振興連絡会(ふくい住産連)が福井市のエルパで木と親しむイベントを盛大に繰り広げた。場内には木に触れながら学ぶ多彩なコーナーが所狭しと設けられ、県産スギの丸太切りには子ども達も果敢に挑戦。初体験ながらスタッフの助けを借りて勢いよくノコギリを引き、マイ「コースター」のプレゼントに笑顔を見せていた。また会場では住産連が主催し、県建築士事務所協会が主管する「ふくいの家設計コンペ」と「中学生デザインコンテスト」の表彰式も執り行われた。