国土交通省四国地方整備局は28日、新猪ノ鼻トンネル工事を公告、入札手続きを開始した。同工事は競争参加申請者に要求される配置予定技術者の施工経験や、申請書等に加え支保工の品質確保に関する「技術提案書@」を提出したものの中から加算点と評価点合計が上位の者(1次審査)に限り、指名競争方式に沿って通知。指名を受けた者に覆工コンクリートの品質確保に関する「技術提案書A」と入札書の提出を求め、開札後に技術提案書Aの審査(2次審査)と総合評価を行い落札者を決める「技術提案段階選抜方式二封筒事後審査総合評価落札方式」を試行する。1次審査の申請に係る申請書と技術資料等提出の申し込み締切日は10月23日。開札は12月17日午前10時の予定。競争参加資格は単体または2者構成の特定JV、「一般土木工事」認定で1200点以上、同種工事の施工実績など。
国道32号猪ノ鼻道路(香川県三豊市〜徳島県三好市)整備で新猪ノ鼻トンネルは、三豊市財田町財田上から三好市込野の延長約4187b、全幅7・5b、2車線。このうち、今回公告したのは15年度から19年度の5カ年で香川県側から県境までの工事延長2900b(トンネル延長2803b)のトンネル本体工事(三豊市財田町財田上)。工期は19年8月30日。工事発注規模は50億円以上。主要建設資機材は鋼材約900d、生コンクリート約2万8000dの需要見込み。NATM工法、発破掘削。内空断面積は54・02平方b、掘削工2803b、掘削量19万4000立方b。トンネル本体工の着手後に15年度に準備工、16年度から本体掘削工に入る見込み。
同工事は技術提案段階選抜方式二封筒事後審査型総合評価落札方式や総価契約単価合意方式などのほか、▽トンネル覆工コンクリートのひび割れについての長期保証▽施工者と契約した第三者による品質証明―の試行対象。第三者による品質証明では「運用ガイドライン案」に基づき、工事の実施状況や出来形、品質について契約図書との適合状況を確認を行った上で品質証明結果をまとめ、発注者はその結果を踏まえ既済部分検査や完成検査を実施。支払条件として出来形部分払方式を採用する。
国道32号猪ノ鼻道路整備は、三豊市財田町財田上から徳島県三好市池田町州津までの延長8・4`区間の線形不良の解消と冬季の凍結・積雪による交通規制、異常気象時における事前通行規制区間の解消を目的に、03年度に事業着手した。20年度の開通見通しが示されている。
提供:建通新聞社