鹿児島建設新聞
2015/09/29
【鹿児島】農業開発総合センター果樹部の移転、工事は来年度発注
県農政部は、中断している農業開発総合センター施設整備を2015年度から再開する。方向性として、果樹部を吹上・金峰地区に集約移転する考えで準備を進めている。10月中には建物関係3棟の実施設計を委託。16年度からの工事を見込んでいる。28日、県議会一般質問で堀之内芳平議員(自民党)の質問に当局が明らかにした。
同センターは、1994年に策定した基本構想に基づいて、分散している各試験場等を集約するもの。農業の試験研究や人材育成等の拠点として、96年度から2005年度に施設整備を実施した。
これまで、吹上・金峰地区には03年4月に農業大学校、06年4月は、耕種試験研究(旧谷山地区)のみを移転。国分地区でも同年4月に、畜産研究施設がオープンしている。
その後、財政改革プログラムで施設整備を凍結していたが、学識経験者で組織した「21世紀における農業試験研究体制在り方検討委員会」を組織。集約予定の部署として、花き部、果樹部、茶業部−などを挙げた。
主な方向性は、基礎・共通的研究や県内各地で広く栽培されている品目の研究を行う部署を基本的に吹上・金峰地区などに集約していく農業試験研究体制を提言した。
今回は、果樹部門を対象に事業を再開。現在、垂水市本城に本場、薩摩川内市東郷に北薩分場がある。15年度の事業費に3655万9000円盛り込み、試験用ハウスや付帯施設、ほ場整備棟に関わる設計費や研究用苗木の購入などに充てる。
移転集約後も本場と北薩分場の一部園地は、カンキツ類などが植栽されていることから再利用を考え、残りの施設について福田博史農政部長は「今後、地元や関係部局と連携しながら、売却も含めた利活用にして検討する」と話した。