日本工業経済新聞社(群馬)
2015/09/28
【群馬】砥根平トンネル着工へ 9月補正案に9億計上 国道299号楢原工区
国道299号楢原地区の改良で、県藤岡土木事務所は砥根平トンネル(仮称)の着工へ向け準備を進めている。上野村と南牧村などを結ぶルートに整備するもので、延長は178m。県の9月補正予算案に工事費9億円が盛り込まれた。予算規模から議会での施工契約承認後、着工するとみられる。完成すれば大型バスの通行がしやすくなるなど、観光振興にも大きな効果が期待される。
長野県茅野市から上野村を経て埼玉県入間市へ至る国道299号。山間部を抜ける同線では、現在も各地で線形改良や拡幅などが行われている。本県では神流町神ケ原地区や上野村楢原地区などで改良工事を実施。地元の塚本建設(藤岡市)や塚越土建(藤岡市)らが施工に携わった。
上野村から同線を南牧村方面へ向かい、観光スポットの「全国郷土玩具館」を過ぎると目の前に山が現れる。この山が今回の現場。現道は山を囲むように左へ迂回する。道幅はさほど狭くはないが線形が悪いため、大型車は通行しにくい状況だ。上信越自動車道下仁田ICから上野村や神流町などへ続く観光ルートにあたるため、地元からも早期改良を求める声があった。同事務所によると、同線は改良が進み、この箇所以外はほぼスムーズな通行ができるため、「特にこの場所の通りにくさが目立ってしまう」(同事務所)という。
トンネルはL178m、W8m。車道は5・5mの幅を確保する。掘削は長野県側から始める。設計は日本工営(東京都千代田区)が作成した。発破による掘削を想定している。同事務所では、早期着工へ向け準備を進め、今後詳細な工事費をはじき出し、予算可決後すぐに入札ができるようにする。今回用意する工事費9億円には、トンネル取り付け部の改良工事や照明などの設備工事費も含んでいる。
トンネル掘削と並行して、残る現道改良も行う予定で、主要地方道下仁田上野線との丁字路付近を拡幅する。トンネル完成までに、その改良も終える予定だ。同事務所は、下仁田上野線の湯ノ沢トンネル南側の改良事業も順次行い、上野村・南牧村間ルートの強化を図る。