日本工業経済新聞社(茨城)
2015/09/26
【茨城】県建設業協会常総支部 関東・東北豪雨で応急復旧
関東・東北豪雨により鬼怒川の堤防が決壊した常総市で、地元建設業者による懸命な応急復旧作業が続いている。県建設業協会常総支部(支部長=新井淳一新井土木且ミ長)の会員各社は、県や市の道路復旧に奔走。新井土木(常総市)は、10日朝に濁流が押し寄せた若宮戸地区で、がれき撤去や大量の土のう積上作業を実施。突貫工事のため筑西支部に応援要請し、夜通しで行われた。
常総支部では、複数社で床上、床下の浸水被害などが発生。水害は電気系統にも影響をおよぼし、会員間の連絡にも支障を来した。そんな混乱した状況下で、各社とも地元住民の要望に応えながら目に見える所から応急復旧。
また県常総工事事務所との災害協定に基づいてパトロールを行い、冠水した道路を通行止めにする作業に従事。続いて朝夕、工事事務所内で当日の作業内容を確認しながら道路を阻むガレキや木々の撤去に奔走。警備員も頼めない状況の中、24時間、作業に当たった。
県常総工事事務所の池田久所長は「協定が有効に働いた。県建設業協会はもとより、県交通安全施設業協同組合、県測量設計業協会、県建設コンサルタンツ協会などにも協力いただいた」と地元企業の取り組みに感謝する。
また新井支部長は、激動の数日を振り返りながら「会員各社が本当によく頑張ってくれた。苦しい時だからこそ、これからも一致団結してまいりたい」と意気込む。
一方、関東地方整備局から鬼怒川の管理工事を請け負う新井土木では、13〜16日にかけて、越水場所の若宮戸地区で、200mにわたり大型土のうを3段設置する応急復旧工事に傾注した。
次の大雨に備え、短期間で終わらせなければならない作業だったが、各社とも県や常総市の道路復旧などで手一杯の状況。そのため筑西支部の柴勝支部長に応援を要請。筑西支部の各社から3交代制で総勢150人以上が駆け付け24時間体制で完工した。
新井支部長は「苦しいとき、協力いただきたいへん感謝している」と謝意を示した。
河川決壊から2週間が経過した現場―。ライフラインはほぼ復旧したが浸水した家屋では片付けが連日続く。支部の会員各社は、道路や側溝の土砂撤去、清掃、散水に着手。晴れた日は土砂が乾燥しホコリがひどく、無休での作業が続いている。
また災害廃棄物の処理にも苦戦。100uのゴミ置き場が一日で満杯になるような有り様。圏央道常総IC用地の1カ所が追加され、常総市内には5カ所の仮置き場が設置された。だが掻き上げ作業が追いつかず、各社の重機オペレーターが対応している状況だ。
池田所長は「今後、災害査定を受けて本格復旧へと入る。その際にも、皆さまのお力をお借りすることになる」と、あらためて地元建設業者の協力を求めた。