高知県は9月18日、一般会計で66億3477万円を増額する9月補正予算案を発表した。当初からの累計は4653億8338万円で、前年度9月補正後より1・5%の減。補正予算案のうち、投資的経費は53億6421万円で、当初からの累計は1101億8742万円、前年度9月補正後より6・9%の減となっている。9月定例議会は25日に開会し、10月15日までの会期で行われる。
尾ア正直知事は「普通建設事業費は対前年度9月補正比より若干(4・8%)減少する。昨年は8月の大規模災害に対応するため大幅に補正予算を計上したが、今年は比較的災害が少ないため、前年度より少ない数字になっている。それでも補正計上後1000億円を超え、南海トラフ地震対策を進めるなど、比較的高いレベルになっている」と述べた。
投資的経費の内訳は、普通建設事業費34億8856万円、災害復旧事業費18億7565万円。普通建設事業費のうち、補助事業費は31億7843万円、国からの公共事業の内示増に伴うもので、この事業費を活用し、河川堤防や排水機場の耐震対策などを加速化する。
災害復旧事業費の多くは、7月の台風11号で被災した箇所の復旧に充てる。工事費に16億5281万円、測量調査に1億2465万円を計上している。
このほかの事業では、土佐西南大規模公園多目的グラウンド人工芝化に向けた実施設計費に1058万円(債務負担2100万円)、天候に左右されない人工芝グラウンドを2面整備する。アウトドア拠点などの整備を支援するための費用には1539万円(債務負担292万円)、本山町のアウトドアの里拠点整備基本計画、土佐清水市の爪白キャンプ場基本計画、越知町キャンプ場基本計画の策定事業を支援する。高知新港の大型クルーズ船受け入れの環境整備に5915万円、バス150台が駐車可能なバスヤード整備と常設トイレを建築するための設計費に充てる。
四万十町に整備中の次世代施設園芸団地工事費には4413万円、井戸の数を増やす必要が生じたため、揚水機場、パイプラインの整備など追加工事を行う。東洋町の白浜海岸に建設予定の津波避難タワー事業費には1億1287万円を増額、ボーリング調査の結果、当初想定より地盤が深く軟弱であったため増額する。四国8の字ネットワークのインターチェンジへの接続整備推進には667万円、東洋町野根と黒潮町佐賀で、インターチェンジの設置場所や接続方法を検討し、都市計画決定に向けた測量設計を実施する。
屋内飛び込み練習場の整備には451万円(債務負担508万円)、飛込競技の屋内練習場を春野総合運動公園内に整備するための実施設計、地質調査、土地造成実施設計を進める。災害発生後の被害状況監視システムの整備に1031万円、高知市タナスカや中の島の石油基地を含む浦戸湾内を常時監視するカメラを皿ヶ峰に設置する。
老人福祉施設等整備事業費補助金には債務負担で5億6494万円を設定、本山町の嶺北荘と大豊町の大豊園を移転合築するための経費を支援する。次世代園芸ハウスの支援には債務負担で1億5990万円を設定、南国市の農業法人がパプリカを新規営農するためのハウス建設工事費などを支援する。
提供:建通新聞社