香川県は(防災・安全社会資本整備交付金)特定構造物改築事業河川構造物長寿命化計画検討業務の手続きに入った。
ことし5月に改訂された「河川用ゲート・河川ポンプ設備点検・整備・更新・マニュアル(案)」を基に、2016年3月28日まで既存の長寿命化計画の変更を検討する。簡易公募型プロポーザル方式による入札公告で9月29日まで参加表明を受け付けている。
県が管理する河川構造物(堰、水門、樋門、排水機場)は、「県公共土木施設アセットマネジメント基本方針」を踏まえ、劣化予測やLCCに基づく詳細マネジメントにより、大規模施設のダムは高度予防維持管理に区分。河川構造物138施設のうち、重要度の高い22施設は長寿命化計画を策定し、事前に詳細マネジメントを実施する予防維持管理に区分。
一方、事後の施設の現況判断による簡易マネジメントの対象として、28施設を事後維持管理、68施設を観察維持管理に区分している。比較的小規模な河川構造物の新規20施設は事後の「壊れたら直す」視点から維持管理区分を設定する。
今回、長寿命化計画を変更する対象施設は▽詰田川札場水門(高松市木太町)をはじめ、▽中川新川水門(東かがわ市)▽弁天川防潮水門(さぬき市)▽下井手川下井手水門(高松市)▽長者川防潮水門(高松市)▽牟礼川水門(高松市)▽相引川排水機場(高松市)▽相引川排水機場水門(高松市)▽摺鉢谷川水門(高松市)▽神谷川防潮水門(坂出市)▽大束川新町水門(宇多津町)▽西汐入川水門(丸亀市)▽桜川水門(多度津町)▽弘田川防潮水門(多度津町)▽一の谷川七間橋防潮水門(観音寺市)▽梶川防潮水門(さぬき市)▽大橋川防潮水門(さぬき市)▽相引川東自動防潮水門(高松市)▽相引川西自動防潮水門(高松市)▽小村川逆流防止樋門(高松市)▽苧扱川水門(観音寺市)▽苧扱川大水門(観音寺市)―の22施設。
機械設備など取り替え年数を見直した改定マニュアル等に基づき、既存の長寿命化計画に盛る河川構造物の維持・更新計画について、まず目視による臨時点検を実施。この結果、健全度評価や劣化予測のための現地診断が必要な場合は、非破壊試験機器を用いたり、局部的な破壊などの方法により診断計画を立案する。現地診断後、早急な対策が必要になれば、対策工法や工事費の算出が必要になるが、22施設について早急な対策は不要であると想定している。
このため、22施設については新マニュアルに基づき、これまでの長寿命化計画を、新技術の適用や施設延命化とコスト縮減の図る対策工の観点、排水機場が併設される新川水門と弁天川防潮水門の2施設ではゲートポンプ化の実施の可否も含めた視点から計画の変更を検討する。
マニュアル変更に伴う22施設の長寿命化計画の見直しは15年度に全て実施し、本年度から5カ年計画で見直す。
提供:建通新聞社