日本工業経済新聞社(群馬)
2015/09/24
【群馬】山腹法面工事の技術研修会を開く
全国特定法面保護協会関東地方支部群馬県部会と群馬県森林土木建設協会桐生地区は18日、桐生市とみどり市で技術研修会を開催した。県桐生森林事務所からも中村一寿所長などが出席し、53人が山腹法面保護工事における最新の測量や工事の技術を学んだ。
冒頭、全国特定法面保護協会関東地方支部群馬県部会の高橋範行幹事が「大雨による栃木・茨城での甚大な災害をみると、あらためて自然の猛威に立ち向かう森林土木の役割と技術の研さんの重要性を感じる。本日の研修会が工事の一助となれば、ありがたい」と呼びかけた。群馬県森林土木建設協会の渡辺裕之氏(山藤組専務取締役)は「急傾斜地や山岳地帯では、土砂崩落などが発生する可能性がある。このような現場にも対応できる施工方法を学び、選択肢が広がると良い」と期待した。中村所長は「発注者としても、安全で効率の良い工法を考えているところ。この研修が森林土木事業に対する明るい材料となれば」と述べた。
研修会では「三次元CAD活用による測量技術」「機械化による山腹法面工事(クライマー工法)について」「瞬発・多段式非火薬岩盤破壊システム(NRC)について」といった3つの最先端技術が解説された。クライマー工法は、無人化機械を用い、法面崩落地上部の危険箇所を掘削するもので、安全性のみならず経済性にもメリットを有する。
解説後、参加者は、これらの技術が採用されたみどり市東町沢入の林道工事現場を訪れた。実際の工事現場を視察しながら、施工者である山藤組担当者などの話に耳を傾けた。