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福島建設工業新聞社
2015/09/24

【福島】郡山市/28年7月施行へ検討開始/県内初、公契約条例制定へ

 県内で初めて、郡山市が公契約条例等の制定に向けて動き出した。17日、市役所内で市公契約条例等検討会の第1回会合を開いた。今後、年度内に4回程度の会合を開き、28年6月に条例案上程、同7月からの施行を目指している。
 公契約とは、国や地方自治体の事業(工事、サービス提供、物品購入)を民間企業などに委託する際に結ぶ契約を指す。行政改革・規制緩和が進む中、発注側の厳しい財政状況による支出減から低価格契約が発生した場合、賃金低下など労働条件の悪化や、不十分な教育訓練・安全対策などのしわ寄せが懸念されている。このため、適正な賃金水準や労働条件の確保を求める根拠として公契約条例等の制定を図る。
 関係者12人が出席。品川萬里市長が「全国約50の自治体で条例制定が進んでいると聞いている。賃金は各企業の問題ではあるが、しかるべき水準であるべきと考える。市民、受注先、市財政、サービスの受益者にも、全てに得となるバランスある条例を作り上げたい」とあいさつした。
 議事では公契約の概要や先進自治体における取り組みのほか、市の公共工事・業務委託の発注状況について入札件数や落札率、主要職種の設計労務単価、これまでの取り組み状況等を説明した。
 今後の検討事項として@制度実施に係る基本方針A公共工事発注者(市)の責務B同受注者(事業者)の責務C適用業種と適用範囲D公契約が適用となる労働者の報酬・範囲E運用に係る事務手続きの設定―などを確認した。また条例等の位置付けとして@賃金水準など数値までを定める「条例」A条例ではあるが数値等は定めない「努力目標」Bガイドラインとしての「要綱」―についても検討課題としていく。
 検討会委員構成は次の通り。
 ▽会長=伊藤宏(福島大学経済経営学類教授)▽副会長=永島巖(県中小企業診断協会)▽委員=渡邊純(県弁護士会郡山支部)佐藤日出一(県ビルメンテナンス協会副会長)佐久間通(日本労働組合総連合会福島県連合会郡山地区連合会事務局長)