岐阜県は、「暮らしの安全・安心確保対策の推進」に向けて、新規で農業用施設の災害対応力の強化を図るほか、老朽化したインフラ施設の安全確保対策、道路ネットワーク整備、既存治山施設の機能強化などの取り組みに総額30億円を盛り込んだ9月補正予算案を発表した。一般会計の補正総額は98億9219万円。可決後の累計額は7918億1196万円で、前年度同期と比べると3・7%の伸びとなる。
主な歳出のうち建設関係では、暮らしの安全・安心確保対策の推進に向けた取り組みとして、農業用施設の災害対応力の強化を図るために1億円を計上した。内訳は、農道施設保全対策調査として、橋梁(15b以上)10橋とトンネル3本の点検・診断などに3000万円。農業用施設緊急改修事業として1地区の農業用排水路緊急補修に4000万円、飛騨エアパーク施設保全対策事業では、側溝改修や侵入防止柵、移動無線機設置などに3000万円を盛り込んだ。
この他の安心・安全確保対策では、治山施設整備(山腹工、渓間工など)や雪害による荒廃地の復旧、既存治山施設の機能強化に3億円を投じ、関市洞戸菅谷石ケ畑地内など12カ所を対象に行う。
また、老朽インフラ施設の安全確保に向けて、国道363号(恵那市)や川島三輪線(岐阜市)、白川福岡線(白川町)、今尾大垣線(大垣市)など34カ所の道路舗装・道路施設補修に5億2300万円、花フェスタ記念公園のエレベーター更新や養老公園の鳥獣害防護柵を設置に1億5000万円を計上。
集中豪雨などによる災害の備えとして、長良川(郡上市)や志津北谷(海津市)など26カ所を対象に、5億円を投じて河道埋塞箇所・砂防堰堤(えんてい)の土砂除去や重要水防箇所などの緊急改修を行うほか、道路の冠水対策や法面防災として、下呂小坂線(下呂市)や河合多治見線(土岐市)など13カ所で、道路排水施設の補修・改良や崩落危険箇所の道路改良を実施するための事業費1億9200万円を計上した。
強靭(きょうじん)なネットワーク・インフラ整備では、5億2500万円を投じ、国道360号(飛騨市)や国道361号(高山市)など16カ所の緊急輸送道路整備や、1億9000万円を掛けて養老平田線(養老町)など3カ所で東海環状インターチェンジアクセス道路を整備する。
交通事故防止対策では、芋島鵜沼線(各務原市)や中野方苗木線(中津川市)など15カ所の歩道整備や防護柵整備などに1億5000万円、勝山山田線(関市)や桑原足近線(羽島市)など10カ所の道路改良に3億7000万円を計上した。
各務原市が運営する「かかみがはら航空宇宙科学博物館」のリニューアルに向けて、同市が委託する基本計画・展示設計の費用8500万円(2015〜16年度債務負担行為)と建築設計の費用1億5800万円(同)を全額補助する。
また、厚生労働省の推計において、今後回復期病床が不足する一方、急性期と慢性期病床が過剰になることが見込まれていることから、県内各病院が回復期病床への転換で必要となる施設・設備整備に対して助成する事業費3億4840万円を計上した。
介護基盤整備特別対策事業補助金1億8425万円を計上し、地域密着型サービス施設などの整備に対し助成するほか、既存特別養護老人ホームの多床室のプライバシー保護に必要な改修にも支援する。
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建通新聞社