鴨川市立国保病院(鴨川市宮山233)は、「鴨川市立国保病院のあり方に関する基礎調査及び資料作成業務」を日本経営(東京支社・東京都千代田区神田司町2―11―1)に委託している。また、あり方に関する検討委員会を設置し、今月末に第1回目を開催する。調査業務は、国の地域活性化・地域住民生活等緊急交付金を活用し、公募型プロポーザルにより委託した。基礎調査では病院の経営形態や運営形態を検討し、今後のビジョンを示す。
同病院の病棟などの施設の多くは建設後30年以上を経過し老朽化が進んでいる。また経営は、13年度決算で赤字を計上するなど厳しい状況にある。このため、利用患者の推移や経営分析などを行い、病院の将来の方向性を検討。基礎調査では、病院の現況、将来予測及び立地条件などを整理するとともに、経営シミュレーションを実施し、最適な診療科及び病床構成などの病院のあり方を検討する。
一方、同病院の建物については、昨年度の耐震診断により震度6強の地震で倒壊の恐れがあるとの指摘があったことから、病院の建て替えや大規模改修などを含めた検討を行う。昨年度の耐震診断は榎本建築設計事務所(千葉市中央区長洲2―8―5)が担当した。
同病院は、1948年に当時の安房郡吉尾村の無医村解消、村民の健康維持のため診療所として開設され、、50年に病院となった。54年には火災により焼失したが、55年に再建され、移転新築工事を経て、73年に現在地で診療を開始した。
病院の敷地面積は1万2811・40u。建物はRC造1〜3階建て延べ3458・67u(建築面積2669・92u)。主な建物は、療養病棟がRC造平屋建て延べ348・30u(41年度築造)、一般病棟・診療棟がRC造3階建て延べ2651・95u(73年度築造)、歯科・処置室がRC造平屋建て延べ174・75u(81年度築造)、整形・リハビリ棟がRC造平屋建て延べ292・97u(00年度築造)。
ほかに医師住宅が8世帯分6棟ある。内訳はRC造平屋建て2棟、パルコン造2階建て3棟、S造2階建て1棟。
病床は70床(一般52床、療養病床18床)。療養病床は医療保険10床と介護保険8床。医師数は常勤6人(内科医3人、整形外科医1人、歯科医2人)と非常勤11人。診療科目は内科、整形外科、小児科、歯科、神経内科、呼吸器科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、皮膚科、リハビリテーション科の12科。