北陸地方整備局は、国道41号猪谷楡原道路整備事業について、総事業費約320億円のうち16年度以降に残事業費約102億円を投じ、残事業区間である富山市猪谷から片掛間(1・6キロ)の2橋梁を含む道路改良工事などを進め、早期の2車線開通を目指す。このほど開かれた事業評価監視委員会で事業継続が認められた。
猪谷楡原道路は全長7・4キロで計画。1997年度に事業化し、2002年度に着工した。このうち現道活用区間が2・8キロ、バイパス区間3・0キロについては、10年11月に完成、2車線供用した。バイパス区間の残事業区間1・6キロで現在用地買収および道路改良工事が進められている。完成により、災害に強い幹線道路ネットワークの形成や事前通行規制区間の回避、冬季交通障害の解消などの効果が期待される。
一部事業内容変更により事業費も見直され、猪谷橋の地質条件の変更に伴い基礎形状(A1、P1)の増大で6億円を増額。同じく片掛橋でも地質条件の変更で基礎形状(P2、3)が変更、15億円の増額となった。一方、従来の工法より部材厚が薄く、型枠不要(吹付)な「簡易吹付枠工」を採用し、1億円のコスト縮減を図るとした。
残工事費87億1200万円の内訳は▽改良費(土工20万2594立方メートル、法面工9748平方メートル、擁壁工一式など)7億7000万円▽橋梁費(2橋梁)74億8000万円▽舗装費1億6400万円▽付帯施設費2億9900万円(標識工、防護柵工、道路照明など)―。ほかに用地・補償費が500万円、間接経費(地質調査、測量設計)が14億4700万円。
2橋梁は片掛橋と猪谷橋(ともに仮称)。片掛橋は橋長353メートル、幅員9・5メートル。形式は、上部工がPC3径間連続ラーメン箱桁橋272メートル、両サイドが鋼2径間連続鈑桁橋、下部工が橋台2基、張出式橋脚2基、中空式橋脚2基。設計は建設技術研究所が担当。猪谷橋は橋長275メートルで、形式が鋼3径間、両端が単純非合成鈑桁、中央が中路式鋼ローゼ桁、下部構造はA1・2橋台が逆T式橋台、P1・2拱台が柱式となっている。設計は東京コンサルタンツ。