事業化に向けて計画段階評価を進めている中九州横断道路(熊本市〜大津町)の整備ルートが合志市を経由して九州自動車道に接続する「北ルート案」に決定した。今後、方針決定後、都市計画決定や環境影響調査の手順を踏み、新規事業採択を目指す。
15日に福岡市で開かれた社会資本整備審議会の道路分科会九州地方小委員会(委員長・溝上章志熊大大学院教授)で、委員会から対応方針案を含めて妥当との判断を受けた。
同道路をめぐっては、前回の審議で九地整側から委員会に3ルート案が示されていた。北ルート案は、大津町から菊池・合志市内の工業団地付近を通り、北熊本SA寄りの九州縦貫自動車道と熊本環状連絡道路に接続する案で、延長約20`、整備費用は約750〜800億円。区間内に3カ所のIC設置も検討する。南ルート案(大津町から阿蘇熊本空港方面を通り、益城熊本空港IC寄りの九州縦貫自動車道に接続)と現国道57号の改良案の2案に比べて、時間短縮や工業団地からのアクセス性、熊本都市圏の交通渋滞緩和・ネットワーク形成の比較検討項目で上回った。
前回の審議以降に実施した自治体ヒアリングでは、熊本県が、熊本西環状道路と連絡し、交通分散が期待できる北ルート案を要望。熊本市と合志市、菊池市、菊陽町、大津町からも渋滞緩和やネットワーク効果、地域活性化の視点から北ルート案を望む声が上がっていた。
北ルート案では、九州縦貫自動車道と接続するJCTの近くに現在整備計画中の北熊本SICが位置するため、委員から「位置関係を考える必要があるのではないか」との指摘もあった。
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西日本建設新聞社