日本建築家協会のJIA建築家大会2015金沢「みんな力―ともに在る社会へ―」は18日、2日目に入り、金沢市の金沢歌劇座では大会式典が行われた。
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開会宣言で西川英治大会実行委員長が「皆さんに心から歓迎を申し上げたい。東日本大震災では社会基盤がいかに脆弱かを感じ、UIA東京大会では資本や物質優先の生活様式からのパラダイムシフト、持続可能な社会のあり方を設計する時代への示唆があった。人と人との連帯がみんな力であり、パラダイムシフトにつながるのではないか。今回、私たちは今後の社会、地域社会、建築のあり方など、いろんな社会的課題に対してテーマを設定し、広く深く考える機会を設けた。有意義な時間を過ごして欲しい」とあいさつした。
主催者として芦原太郎JIA会長が「国内外から多くの方々に集まって頂き感謝したい。今回『みんな力』という大きなテーマを掲げているが、この大会を契機に建築を身近なものとして感じ、JIAにいろんな声をかけてもらえれば、地域や生活のために役に立つことができる。今、次の時代に残っていく建築を民主的なプロセスでつくっていくことを考える時代。皆さんの力を結集して子どもや孫の時代に安心して渡せるような環境づくりを目指したい」と述べた。
来賓として国土交通省住宅局大臣官房審議官の杉藤崇氏、山野之義金沢市長、アメリカ建築家協会会長のエリザベス・チュー・リヒター氏が祝辞を述べた。名誉会員、フェロー会員の授与式も行われた。
基調講演では京大大学院教授で第2次安倍内閣内閣官房参与の藤井聡氏が「国土強靭化のこれまでとこれから」と題し、哲学者の内山節氏が「見失われた力を再発見する―関係が生み出す力―」をテーマに語った。金沢工大教授の水野一郎氏をコーディネーターにパネルディスカッションも行われた。
金沢城公園・五十間長屋でレセプションパーティが開催され、全国から集まった建築家や協力会員らが金沢の伝統文化を代表する会場で、金沢の食材を堪能しながら和やかに歓談した。