日本工業経済新聞社(群馬)
2015/09/18
【群馬】群馬用水が有馬トンネルの改築に着手
水資源機構群馬用水管理所は本年度、群馬用水榛名幹線の一部である有馬トンネルの改築に伴い、併設水路の新設に着手する。工事は、既存の水路トンネルに並行してL約2qのトンネル(内径2m)を新設する。9月下旬に工事を公告し、11月下旬の開札を予定している。同事業では、併設水路の新設と既存水路の補強工事を計画。事業期間は2018年度までで、事業費は既存水路の補強も含め約30億円を試算している。
有馬トンネルは、群馬用水の主要幹線である榛名幹線の一部で、渋川市有馬地内から吉岡町上野田地内までをつなぐL約2qの馬蹄形(内径2R=2・8m)トンネル。建設から45年が経過し、背面空洞や地下水の浸入、ひびわれが生じるなどし、補強が必要となっている。
今回新設するトンネルは、既存トンネルの補強中に用水の供給を行うために整備するもので、補強後もトンネルの保守点検などに活用する。新トンネルはL約2q(内径2m)で計画しており、シールド工法を採用する。工期は、29カ月を見込んでいる。
既存のトンネルは、新トンネルの完成後となる2018年度の秋頃からの補強を計画している。現在は補強方法の検討を行っている段階で、新トンネルの工事と並行して詳細を詰めていく。
群馬用水は1970年に供用が開始され、赤城山南麓と榛名山東麓地域の上水と農業用水を供給している。上水は前橋市や高崎市、渋川市など8市町村が供給範囲で、農業用水は、7市町村の農地約6300haへ給水している。
主要幹線としては、榛名山の東側を通る榛名幹線と赤城山の南側を通る赤城幹線の2ルートがあり、今回工事を行うのは、榛名幹線の途中にある有馬トンネルとなる。
榛名幹線は県企業局県央第一水道事務所、高崎市などが取水し、広域で上水を配水するとともに、約2000haの農業用地へ水を供給している。
同管理所では、有馬トンネルが建設から30年以上経過したことを受け、2002年度から09年度にかけて各箇所の耐震補強や改築を実施しており、今回で大規模な改築事業は2回目となる。