建設新聞社(佐賀)
2015/09/18
【佐賀】不当要求防止責任者の選任を加点 県の等級格付け
佐賀県は、2017・18年度(平成29・30年度)の建設工事入札参加資格に適用する建設業者施行能力等級評定(等級格付け)の方針案を明らかにした。暴力団を排除する活動を推進するため、不当要求防止責任者を選任し基準日までの2年間において不当要求防止責任者講習を受講した場合2点加点することを新たに追加する。不当要求防止責任者講習会は、県公安委員会から委託を受けた県暴力追放運動推進センターが、毎月、県内各地で開催している。
不当要求防止責任者(以下、責任者)とは、暴力団員などからの不当要求により事業者、使用人の被害を防止するために必要な業務を行う責任者として事業者によって選任された者。暴力団対策法では、事業者は責任者を選任することを努力義務として規定している。責任者は、不当要求に対応する社員、職員に対する指導教育の実施に関する業務、不当要求に対する被害が発生した場合の被害の状況の調査、警察への連絡に関する業務を行う。
事業者は、責任者を選任した場合、管轄の警察署に選任届出書を提出する。後日、公安委員会から講習会案内の通知(はがき)が来るので、通知された日時場所で、講習会を受講する。
講習費用は無料、講習時間は3時間程度。講習会では、暴力団情勢と対策、不当要求事例と対応要領などについての講話、DVDを活用したロールプレイングなどが行われる。受講後、公安委員会から受講修了書や責任者選任事業所などのステッカーが交付される。
2014年度は、講習会は29回開かれ、946人が受講。このうち建設・不動産業では235人が受講した。講習受講者を対象にしたアンケートでは924人が回答し、このうち781人が不当要求を受けたと回答している。
県暴力追放運動推進センターは、講習会受講のメリットとして「受講修了書や責任者選任事業所のステッカーを掲示することで、暴力団と関係のない事業所として社会的信用が高まるほか、暴力団などに対するけん制につながる」としている。
県建設技術課によると、九州内で不当要求防止責任者講習受講を加点しているのは長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県、16年度以降の格付けで加点する予定にしているのは、大分県、宮崎県となっている。受講に関する問い合わせは同センター(電話0952-23-9110)まで。