【香川】タダノ(高松市新田町甲34、多田野宏一社長)は高松港香西(西)地区埋め立て地の工業用地分譲に関する要望書を県に提出した。14日、同社の橋倉荘六執行役員(企画管理部門担当)や、山下猛総務部長、タダノビジネスサポートの藤井祥三管財部長らが県土木部を訪れ、小野裕幸土木部長に高松港香西(西)地区埋め立て地に係る要望書を手渡した(写真)。
タダノが県が埋立事業を推進中の同港香西(西)地区埋め立て地の工業用地を新工場建設候補地に決定。同用地に将来の工場拡張を踏まえ約20f必要であることと、2016年度半ばに工場用地引き渡しが可能となるよう、埋め立て地の前倒し整備と公募に関しての配慮を要望書に求めた。新工場は第1期工事で約3万平方b。建設用大型クレーンの生産を月産80台見込む。将来は約6万平方bに拡張し2倍の月産160台を見込んでいる。新工場が完成すれば最終、志度工場と並ぶ生産能力規模になる。
要望書提出後の記者会見で、タダノの橋倉氏は14年度の当期純利益が過去最高を記録したことを踏まえ、「長期目標のLE世界bP、海外売上比率80%などを目指すために次期中期経営計画(17〜19年度)中に新工場を建設する方針を固めた」。国内工場で香西(西)地区を候補地にしたのは「北米向けクレーンなど製品が大型化している中で、海に近い立地条件。特にバルク船の接岸が可能なメリットもある。約60社の協力工場が県内に立地しているなどもあり、香川県内が最適と判断した」と述べた。また海外向け売り上げ比率80%の長期目標に対し、経営計画の追い風としている要因について「東南アジアでの新車クレーン需要や、長い目で見て新興国需要にも期待している」と答えた。
一方、香川県の小野土木部長はタダノからの要望書を提出を受けて、「新工場の県内での建設計画はありがたい。本県経済の振興や、若者の雇用創出に大きく貢献すると考える。ただ、埋め立て地の売却には公募が原則になっており、港湾計画の変更や埋め立て免許の変更も必要になる。知事に報告後、県議会、地元関係者との協議を進めたい」と前向きに取り組む考えをタダノ側に伝えた。
提供:建通新聞社