福島建設工業新聞社
2015/09/18
【福島】Jヴィレッジ練習場・新宿泊棟基本案/全国規模で設計者公募
県電源地域振興財団(事務局=県企画調整部エネルギー課内)は17日、Jヴィレッジ復興・再整備基本設計業務委託の公募型プロポーザル手続きを開始した。全天候型サッカー練習場と新宿泊棟両新営工事の基本設計業務を一括発注するもので、参加資格は運動施設と宿泊施設の設計実績を有する1級建築士事務所(所属1級建築士4人以上)。設計共同体での参加も認め、地域要件は設定していない。参加表明を30日午後5時まで、技術提案書は10月20日午後3時まで提出する。審査は2段階方式で、11月上旬の受託候補者選定、契約締結を予定している。
原発事故収束の対応拠点として東京電力等が現在使用しているJヴィレッジ(敷地面積約41万3194平方b)を、本県復興のシンボルとして再生するため、県や施設所有者の同財団、立地する楢葉、広野両町などが1月に「新生Jヴィレッジ」復興・再整備計画を策定した。東京電力による既存施設の原状回復と財団による新営工事で、新たな価値を加えた施設にリニューアルする。30年夏の一部業務再開、31年4月の全面再開が目標。
基本設計業務は、全天候型サッカー練習場と新宿泊棟、両施設の外構が対象。原状回復工事の取り合い部の設計調整も含む。納期は28年3月25日。業務規模は6640万円(消費税込)以内。
実施設計以降は、デザインビルド(DB)方式での発注を想定しており、基本設計業務受託者にDB事業者募集に係る協力業務を別途発注する予定。両施設の工事発注区分は未定で、基本設計は分割発注が可能なよう施設別にまとめる。
プロポーザルの実績要件は、17年度以降に発注し参加表明書提出日までに完了した@延床面積4000平方b以上の運動施設(体育館、武道館、屋内プール、スタジアム等)A同3000平方b以上か、客室60室以上で宴会場施設を含む宿泊施設(ホテル、旅館等)―の設計業務。
共同体は2〜4者で構成。代表構成員は1級建築士4人以上の所属と、@かAのいずれかの設計実績が必要。残る一方の実績は構成員の1者が満たせばよく、このほかの構成員には1000平方b以上の公共建築物の設計実績を付した。専門分野の再委託可。
参加表明書、技術提案書は事務局=県企画調整部エネルギー課024(521)7115(佐藤・市村氏)に持参か郵送。郵送の場合、特定記録郵便か簡易書留で期限内必着。募集要項等はJヴィレッジHPに掲載。24・25日に現地確認できる。
審査は財団、施設管理者の日本フットボールヴィレッジ、ふくしま市町村支援機構、県で構成する審査委員会(委員非公表)が行う。提案課題は、業務実施方針(コスト管理方針、基本設計を両施設同時に円滑に進める方策など)と、全天候型サッカー練習場、新宿泊棟それぞれの設計コンセプト、施設配置の考え方、施設計画など。配点は「業務経験・実施能力(技術者数、同種類似業務実績)」が20点、「技術提案(方針の妥当性、内容の理解度、工程・手順の効率性、提案の的確性・実現性)」が80点。
1次審査でヒアリングを要請する5者以内を選定し、10月下旬に通知。ヒアリング(非公開)で受託候補者、次点候補者を選ぶ。
全天候型サッカー練習場は、敷地北側の天然芝ピッチ2面分に整備する屋内運動施設。規模は延床面積約1万600平方b(人工芝サッカー練習場約9700平方b、管理室、ミーティングルーム、観覧席等)。躯体はRCかS造で、壁面は壁か開閉可能な窓で構成、屋根は膜類等の日光が入る構造とする。概算建設費25億円(人工芝・路床は原状回復工事で対応)。
新宿泊棟は、既存施設のセンター棟・N棟西側に整備する。RCかS造の6階建て程度、延べ面積約5500平方b。ビジネス客向けに客室120室(シングル)、コンベンションホール(約650平方b、500人収容)、大浴場などを設ける。