県教育庁体育課は、県総合スポーツセンター(千葉市稲毛区天台町323)の野球場の耐震・大規模改修を計画し、県の9月補正予算案で基本設計費に限度額800万円の債務負担行為を設定した。予算可決後に発注し、年度内に契約、来年度早々に設計に着手する。17年度で実施設計を行い、18年度に着工。19年度までの2か年での完成を目指す。総事業費は27〜28億円を見込む。設計は県土整備部施設改修課に執行を依頼する。
主な事業内容は、内野の観覧席を既存のベンチから個別席に変更。収容人員は現状の1万1500席から8400席に減少するが、ゆったりと観戦できる環境を整える。スタンドの屋根については、現状のRC造からS造に変更することで軽量化を図る。
またグラウンドは、硬式の公認野球場の規格にあった規模に変更。両翼を現状の92mから98mに、センターを同120mから122mにそれぞれ延伸する。外野のフェンスを取り壊して延伸するため、外野席も一部減少する見通し。このほか、スコアボードを現状の磁気反転式からLED化する。一方、照明については、近隣にある住宅やモノレールの軌道への影響が懸念されることなどから、設置は難しい模様。
野球場は1966年3月の竣工。観覧席はIs値が0・3〜0・4で耐震性能が不足するなど、施設全体で老朽化が進んでいる。このため、同庁は耐震改修や老朽化対策工事について検討。併せて中核的施設とするための手法を検討するとともに、野球のオリンピック種目への追加採用を視野に入れ、事前キャンプ誘致などに向けて施設機能を充実させることになった。基本設計に向けては昨年度で事前調査を実施。事前調査の結果を受けて、来年度から基本設計を実施する。事前調査は榎本建築設計事務所(千葉市中央区長洲2―8―5)が担当。
野球場は面積2万3400u。観客の収容人数は2万7000人で、内野スタンド1万1500人、外野1万5500人。スタンドの規模は1塁側がRC造1197u、バックネット裏がRC造1181u、3塁側がRC造1197u。