三重県は16日、高速道路と鈴鹿市街地を東西軸で結ぶ都市計画道路「鈴鹿亀山道路」(仮称)について、2案あったルート帯のうち、「市街地北部ルート」(以下、北部ルート)を選定し、道路の起・終点、設計速度などの概略計画を決定したと発表した。今月3日に行われた「鈴鹿亀山道路有識者委員会」で北部ルート(案)が了承されたことを受けて県が手続きを進めていた。今回の決定により、都市計画決定に向けて、構想段階から計画段階に入ることになるが、決定までには数年かかるものとしている。
鈴鹿亀山道路は東名阪自動車道・亀山ジャンクションと国道1号北勢バイパスの延伸部分を東西軸で結ぶ道路として計画され、2004年度に調査区間に指定された。今回決定された概略計画では、起点が鈴鹿市、終点が亀山市。概略延長約10`、設計速度は時速80〜100`とした。車線数、連結する主な道路、構造については、詳細計画段階以降に検討する。
設計速度については、時速80〜100`と幅を持たせており、時速80`であれば、道路構造令の基準に沿った「第1種第3級」に該当し、県管理道路では自動車専用道路の第二伊勢道路(完成4車線、設計速度時速80`)が同規格となる。時速100`であれば、「第1種第2級」に該当し、東海環状線などの高速道路が同規格となる。今後の検討の中で規格なども詰めていくことになる。
もう1案の「市街地通過ルート」(以下、通過ルート)と比較した結果、企業用地の開発余地の大きさ、広域防災拠点へのアクセス、生活環境への影響、工期、工事費の面で北部ルート側に優位性があるとした。自然環境の面だけは、通過ルート側に優位性があるとしたが、北部ルートでも、自然環境や景観への配慮に努めるものとした。
今後の行政手続きについて、都市計画では、都市計画案の作成に着手し、環境影響評価では、方法書を策定後、準備書の作成に入る。準備書作成のための現地調査は先行して14年2月から着手しており、必要に応じて調査を追加していく考えだ。
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建通新聞社