建通新聞社(神奈川)
2015/09/17
【神奈川】「全国一の渋滞解消へ」 東名・検討WG初会合〜車線運用の見直しなど〜
東名高速道路神奈川県区間の渋滞解消を目指し、国土交通省横浜国道事務所の杉ア光義所長を座長に、神奈川県や横浜市、中日本高速道路などの関係機関で構成する「神奈川県東名軸渋滞ボトルネック検討ワーキンググループ」の初会合が17日に横浜市中区で開かれた。科学的データを分析し、渋滞箇所やその特徴を特定。効率的・効果的な投資で渋滞を解消するのが狙い。他の事例を基に、「既存の道路幅員の中で、車線運用を見直し、付加車線を設置する」などの対策を検討項目の一つに挙げている。次回会合の日程を含め、具体的な検討スケジュールは「今後、関係機関と調整して決めたい」としている。
東名神奈川県区間は全国一の渋滞区間(※3面に関連記事)とされる。特に、大和トンネル付近や海老名ジャンクションでは深刻な渋滞が発生している。
ワーキンググループでは、「賢い投資」で高速道路の機能を最大限に発揮させるための検討を進める。初会合で事務局側(関東地方整備局道路部ほか)は、「ETC2.0データ」(速度、交通量、利用経路・時間)を活用し、特に顕著な「大和トンネル付近を先頭とした渋滞」「海老名JCTランプ部の渋滞」についての分析結果を解説。高速道路の本来の機能が発揮されていない現状を説明した。
その上で、高速道路の機能を発揮させた東名高速音羽蒲郡IC〜豊田JCT間の対策事例を紹介した。当該区間では、交通集中やサグ(下り坂から上り坂に差し掛かるV型形状の箇所)などにより慢性的な渋滞が発生していた。そこで、既存の道路幅員の中で、路肩などを活用して、車線運用を片側2車線から暫定片側3車線運用に見直した結果、渋滞が概ね解消したという。
杉ア座長は、「科学的データを基に分析した結果、渋滞の要因はある程度明らかになってきているのではないだろうか。今後、大和トンネル付近、海老名JCTランプ部をはじめとする特に渋滞が顕著な箇所について、対策を立案したい」と述べ、関係機関からの意見を集約しながら検討を進めていく考えを示した。
次回会合の日程は未定だが、随時、事務局レベルで関係機関と意見を交わす予定でいる。
◇ ◇
WGの参加機関(役職)は次の通り。
【関東地方整備局】
▽横浜国道事務所長▽道路部道路計画第一課長▽道路部道路計画第二課長▽道路部計画調整課長▽企画部広域計画課長
【神奈川県警察本部】
▽交通部交通規制課長
【神奈川県】
▽県土整備局道路部道路企画課長
【横浜市】
▽道路局計画調整部企画課長
【川崎市】
▽建設緑政局計画部企画課長
【中日本高速道路】
▽東京支社総務部企画部企画調整チームリーダー▽東京支社保全・サービス事業部交通技術チームリーダー
【事務局】
▽関東地方整備局道路部道路計画第一課▽関東地方整備局道路部道路計画第二課▽関東地方整備局道路部計画調整課▽関東地方整備局企画部広域計画課▽関東地方整備局横浜国道事務所計画課