富山県の第68回全国植樹祭お野立所新築工事設計業務に係る公募型プロポーザルで、最優秀提案者に創建築事務所が決まった。県産材を使用して木の良さをPRし、豊かな自然や伝統文化を表現した「富山らしい」デザインを提案している。
提案によると、11〜12メートルの県産材丸太37本が立ち並び、立山連峰や散居村の屋敷林、杉の木立ち、こきりこササラなど富山らしさを表現。丸太の柱と屋根を支える小径材により開放的な空間を作り出し、県産材や木造建築の魅力を発信する。コンクリートを用いない基礎方式とユニット化された木構造で、コストの縮減や工期短縮、開催後の容易な再利用を図っている。
審査では、県産材をふんだんに使用することをはじめ、繊細な構造で式典にふさわしい格式を備え、基礎に鉄板と鉄骨(H鋼)を用いて移設がしやすい点が評価された。
規模はW造平屋建て約70平方メートル(間口10・92メートル、奥行き6・81メートル、軒下高6・5メートル)。幅32メートル。履行期限は16年2月26日まで。16年4月以降に着工し、17年3月の完成を予定している。
第68回全国植樹祭は17年春、「かがやいて水・空・緑のハーモニー」を大会テーマに、魚津桃山運動公園で開催される。天皇皇后両陛下の御座所となる「お野立所」は、式典会場の中央に設置される大会のシンボル的施設となる。