沼田市は、市中心部にある大型商業施設グリーンベル21(下之町)の再活用に向けた調査をことし6月から進めている。グリーンベル21は商業施設として建てられたため、使い方に応じた改修が必要と考えた市が施設を建設した前田建設工業(東京都千代田区)に調査を委託した。現地調査が終了し、今月中にも最終的な調査結果が判明する。現在はI街区・商業施設棟が閉館中、U街区・駐車場棟が運営されている。
調査が進められているのはI街区・商業施設棟(S造7階建て・延べ床面積2万8900u)とU街区・駐車場棟(S造7階建て・延べ床面積1万2073u)、両棟をつなぐ通路部分となる。
7月の中間報告によると、商業施設棟では外壁や屋上の防水、空調やトイレ、給排水設備の配管、照明などで改修が必要だという。建設してから大規模な改修を行っていないため、市としても大きな改修は避けられないと考えており、運営費などを考え、LED照明の導入なども検討しているようだ。5階までは間仕切りなどがほとんどないが、6階はスポーツジム、7階は結婚式や宴会場に使用されたため、5階までとは内部が異なっているという。市は入居者や活用方法に合わせて、施設内に新たな間仕切りを整備したり、内装の更新も視野に入れている。場合によっては、外壁部へ新たに窓を設けることも想定しており、窓を設置しない場合でも外壁の再塗装は最低限必要と考えている。
駐車場棟は今後も継続して利用されるため、商業施設棟よりも早く補修工事が実施されるようだ。築20年以上が経ち、外壁や屋上部分の傷みなどを補修するが、工事は基本的に駐車場を閉鎖して実施する計画。9月の補正予算案に工事費を計上しており、工事改修費2億2464万円の中から充てられる。議決後早ければ11月にも発注される見通し両棟は現在の耐震基準に合致しているため、耐震化の必要はないが、より安全に使うための補強などが検討されている。
ことし4月からグリーンベル21活用推進課が組織され、5月末にはグリーンベル21構想委員会などが設置された。市の職員や大学教授といった有識者が参加し、施設の早期活用に向けて協議を重ねてきた。商業施設棟の使い方については市の庁舎、子育て支援や高齢者向け施設、オフィスやテナントの入居などの要望があがっている。フロアごとにどんな使い方をしていくのかといった方針は、現在開催中の議会を経て、今月末にもまとまる予定だ。その後に、市は早期に商業施設棟の基本設計を委託し、設計業務に入っていく考え。業務を発注するか、随意契約とするかなどは今後詰めていく。
当面の間、商業施設棟は閉館となる。以前は1階にキャッシュコーナー、5階に沼田エフエムの「FM OZE」が入っていたが、ことし7月末の閉館に伴いキャッシュコーナーが閉鎖、FM局は同月に駐車場棟1階へ仮移転している。