福島建設工業新聞社
2015/09/16
【福島】県内建設産業/復興後のあり方検討へ
県は、震災復興後を見据えた県内建設産業のあり方についての検討を本格化させる。今後、県建設業審議会を開催し、将来の方向性や行政が取り組むべき施策について諮問する。震災による復興需要で、県内の建設投資は一時的に拡大しているものの、地域によって事業量のバラつきが顕在化しており、復興関連事業がこの先、収束することで、建設投資が再び減少していくと見込まれることから、地域の状況に沿って復興後のあるべき姿を検討する。公共工事の品質確保促進法(品確法)の改正を踏まえ、担い手の中長期的な確保・育成に向けた取り組みも、論点の一つになりそうだ。県は審議会の議論を、今後の建設業施策に反映させていく。
来年1月をめどに審議会を開催する方針だ。14日の9月定例県議会代表質問で、大河原聡土木部長が明らかにした。
県条例に基づき設置された審議会の開催はこれが3度目。平成6年に一般競争入札や多様な入札方式について検討した後、前回(19、20年)は建設市場縮小下での県内建設産業の振興策などを議論した。
その後、発生した東日本大震災による復興需要や、復興の先を見据えて、改めて県内建設産業のあり方について検討するため、審議会に諮問することにした。
今年度、建設業情報管理センター(CIIC)と建設業技術者センター(CE財団)が、本県をモデル県として震災復興前後の建設企業のあるべき姿を提言することにしており、県は来年1月に提言が出るのを待って審議会を開催する方向だ。
CIICとCE財団による検討委員会には、本県から木明義県建設業協会理事兼相談役、芦野英明県土木部建設産業室長が加わっており、@技術力、経営力の強化A担い手の確保・育成B行政の取り組むべき施策│の3つの視点で議論をしている。行政の施策としては、イメージアップのための広報や担い手育成等への支援のほか、今後の維持・管理へのシフトに向けた対応などが論点になる。
県は審議会に先立ち26年度、各建設事務所単位で市町村と地域の建設業代表による建設業のあり方についての勉強会を開いており、ここで出た課題も踏まえ、建設業審議会で、提言を参考に、本県の実情を反映させた建設産業の方向性についての議論を進める。