大阪市内を中心にホテルの建設計画が目立ってきている。建設中の物件も含め、2016年に8棟、17年にも7棟が開業する予定だ。新築物件で14年に開業したのが1棟、15年が3棟だったのと比べ、明らかに増加傾向となっている。
今後着工する物件を見ると、NTT都市開発はユニバーサルシティ駅近くにホテルなどの複合ビル、アパホームは大阪・千日前にアパホテルなんば駅東を計画。共に300室を超える規模を予定している。これら大型の物件だけでなく、中小規模物件も多いという印象だ。
計画が具体化していない物件も多い。ベルコは難波の旧・新歌舞伎座を解体した土地にホテルや結婚式場などを備えた複合施設を計画。ロイヤルホテルは中之島エリアに新ホテルのオープンを目指すほか、21年の開業を目標にリーガロイヤルホテルを再開発する。オリックスはユニバーサルシティ駅徒歩約1分にホテル開発用地を取得。JR西日本は梅田・天王寺エリアで17年度以降、宿泊特化型ホテルを展開する方針。
さらに住友倉庫が所有する西区の南堀江地区再開発では300室のホテル、難波の精華小学校跡地開発でもホテルの計画が挙がっていた。
大阪観光局は府内の宿泊施設の客室稼働率が6月に83・8%となり、都道府県別で4カ月連続の首位と発表。それを裏付けるように、みずほ総研の調査で、宿泊施設の不足幅が最も大きいのが大阪府だった。訪日外国人観光客(インバウンド)を主に、府内の観光地を訪れ、宿泊しようとする旅行客をつなぎとめるためにも、受け皿となるホテルはまだまだ増えそうだ。
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建通新聞社