県県土整備部住宅課は国府台県営住宅(市川市)の建て替えで、本年度に既存施設の解体工事と建築本体の実施設計を予定していたが、交付金の割り当てが見込めないことから、来年度に延期することを決めた。県の本年度当初予算に計上していた事業費1億6110万円は9月補正予算で減額する。建物本体の基本設計と解体の実施設計は千都建築設計事務所(千葉市美浜区真砂3―1―2)が担当。
同事業は、既存住宅9棟や集会所など延べ9873uを解体し、新たにRC造5階建てを整備する計画。基本設計での建物規模は1工区(A工区)がRC造5階建て延べ約4907u(集会場、駐輪場含む)、2工区(B工区)がRC造5階建て延べ約3967u(駐輪場含む)。総延べ面積は約8874u。戸数は1工区78戸、2工区64戸の合計142戸。
12年度にランドブレインの担当で建て替え基本計画検討調査を実施し、昨年度で建て替えの基本設計と解体の実施設計を実施した。本年度は既存7棟のうち1号棟、2号棟、5号棟の西側3棟の解体と建物本体の実施設計を予定していた。
同団地の既存建物(市川市国府台1―2)は、1〜7号棟の9棟(7号棟は3棟)と集会場、自転車置き場などで構成。戸数は中層耐火構造160戸、準耐火構造24戸の合計184戸。60〜61年度に準耐火構造2階建て24戸と中層耐火構造4階建て32戸(61年10月入居)を整備。その後、61〜62年度に中層耐火構造4階建て80戸(62年11月入居)、63〜64年度に中層耐火構造4階建て48戸(64年5月入居)が建設された。敷地面積は9190・14uで、用途地域は第一種中層住居専用地域。
1期では、西側の1、2、5、6号棟を取り壊し整備する。このうち6号棟は、解体する3棟の入居者が移住するため残し、空き家の修繕工事を実施。新棟建設後に取り壊す。空き家の修繕工事は9日の入札で宮原建工が予定価格1583万円に対し1575万円で落札した。
解体する3棟の規模は、1号棟がRC造4階建て延べ1447・83u(61年建設)、2号棟がRC造4階建て延べ1085・73u(62年建設)、5号棟がRC造4階建て延べ1418・86u(64年建設)。
同団地の耐震診断によるIs値はいずれも0・8以上を示し、問題はないが、道路が狭い、近隣の住居が近い、交通量が多く通学路に危険性がある――など周辺環境に問題を抱えている。また、外壁表層部分に経年劣化の進行に伴う剥離・落下の危険性があるほか、東日本大震災で既存住棟と増築部分との接続部分のエキスパンションジョイントが破損するなどの被害も受けており、早期の建て替えが求められている。