県は11日、9月補正予算案の概要を発表した。一般会計の補正額は44億3000万円で、現計予算との合計は1兆7140億700万円(前年度同期比5・2%増)となる。補正予算では総合スポーツセンター野球場耐震・大規模改修の基本設計に800万円の債務負担行為を設定。衛生研究所施設整備事業と香取合同庁舎再整備事業については、本年度事業費を全額減額し、債務負担行為に事業費を組み込んだ。香取合同庁舎は、資材・労務単価の上昇から事業費を本年度当初の25億1200万円から29億8600万円に引き上げた。
一般会計の投資的経費は3億4100万円の減額で、投資的経費のうち普通建設事業費も同額減額。補助事業で河川海岸津波対策事業の増額などに伴い10億500万円増額する一方で、単独事業は香取合同庁舎再整備事業や衛生研究所施設整備事業の工期見直しなどにより13億4600万円減額した。投資的経費は対前年度同期比10・2%増、普通建設事業費は同2・9%増。
施策別事業費は、「くらし満足度日本一」に向けた施策の推進24億9700万円、財政調整基金等への積立32億円、その他12億670万円減。「くらし満足度日本一」に向けた施策の推進の内訳は、県内経済の活性化4億7700万円(債務負担行為1億4200万円)、安全・安心の確立2億7500万円(同70億500万円)、子育て支援・福祉・医療の充実17億4500万円。
主要事業のうち総合スポーツセンター野球場耐震・大規模改修事業は、老朽化し、耐震性の不足する野球場について、耐震改修等を行うとともに、野球のオリンピック種目への追加採用を視野に入れて施設機能を充実させるために必要な改修を行う。耐震改修、老朽化に対応した改修のほか、両翼・センターの延伸などを予定している。
野球場の改修では、昨年度で基本設計に向けた事前調査を実施。耐震改修や老朽化対策とともに中核的施設とするための手法を検討した。調査は榎本建築設計事務所(千葉市中央区長洲2―8―5)が担当。
衛生研究所施設整備事業については、実施設計の工期延長により工事契約が3月になることから、本年度の工事費6億2140万円を全額減額するとともに、債務負担行為の限度額を55億9300万円から61億1400万円に増額し、期間を15〜16年度から15〜17年度に変更した。これにより供用開始は17年10月から18年4月に変更となる。工事は今後、県土整備部営繕課が建築、空調設備、衛生設備、電気設備の4件分離で総合評価型一般競争入札を公告し、仮契約締結後、2月県議会での承認を求める。
香取合同庁舎は、本年3月の入札不調で整備スケジュールを見直すとともに、労務単価の上昇などを踏まえ事業費を増額した。本年度予算では年度事業費7億2300万円を計上するとともに債務負担行為17億8900万円を設定し、事業費を25億1200万円としていたが、その後の資材単価等の上昇を加え、新たに29億8600万円の債務負担行為を設定。建築工事を発注し、その後、設備を発注。衛生研究所と同様に2月県議会での契約承認を目指す。供用期間は16年度から17年度にずれ込む。
このほかでは、河川海岸津波対策事業に26億6200万円(債務負担行為29億9300万円)、河川維持事業に9100万円などの事業費を措置したほか、県立施設トイレ改修事業に1億2457万円を計上。房総のむらトイレの全面改修工事を実施するとともに、都市公園等のトイレ改修に向けた実施設計を行う。
一方、新規事業では、オリンピック・パラリンピック関連で、オリンピック・パラリンピック競技の普及・振興事業1500万円、大会の成功に向けた取組検討調査2000万円の予算が計上された。