松戸市は10日、松戸駅周辺地区まちづくり整備基本計画検討業務委託の公募型プロポーザルで、契約が整ったとして結果を公表した。契約の相手方は日建設計(東京都千代田区飯田橋2−18−3)、契約額は1億260万円(消費税を含む)。これまでに策定した同駅周辺まちづくり基本構想を踏まえて、新拠点ゾーンや矢切観光(農業振興)拠点など個別の事業ごとに基本計画等を立案するとともに、より効果的で実効性のある戦略的なまちづくりシナリオを本年度内に構築する。
松戸駅周辺は、古くから商業都市として発展してきたが、都市機能が更新時期を迎えている。また、近隣の流山市や柏市等で、つくばエクスプレス沿線開発が進むなど都市間競争が激化。これに伴い、まちの活性化やブランド力の強化が課題になっている。
このため、相模台を含む松戸駅周辺地区における商業・業務・交通・公園等、多様な都市機能が集積する中心拠点としての強化や、縁辺部における居住環境の整備、水・緑・歴史等の地域資源を生かした魅力あるまちづくりを推進するため、優先すべき個別具体の事業に関する基本計画を策定することにした。
業務内容は、@新拠点ゾーンに係る整備基本計画等の作成A矢切観光(農業振興)拠点に係る整備基本計画の作成B松戸駅周辺交通体系の検討C松戸市土地開発公社保有地活用に係る整備基本計画等の作成D江戸川・西口公園に係る整備イメージの作成E松戸駅周辺地区戦略的まちづくりシナリオの検討。
新拠点ゾーンに係る整備基本計画等の作成では、「豊かな市民活動をサポートする新しいタイプの複合施設(文化・子育て・教育・商業・公共公益的な施設等を配置)」の整備を行うため、新拠点ゾーン及び、この整備の影響範囲における土地利用を検討し、整備基本計画等を作成する。その際、新拠点ゾーンの開発には国有地の取得(2016年度を予定)が必要なため、国に対する公的取得要望の検討を行う。
具体的には、整備施設の検討として新拠点での整備施設の検討(複合施設の機能及び規模、松戸中央公園の再整備、その他必要な検討)、集約した公共施設跡地活用方針の検討、新拠点へのアクセス動線計画の検討、駅東口の中心商業地区における交通ネットワークの検討を行うほか、整備手法の検討として複合施設及び基盤施設等の整備手法の検討(複合施設の敷地面積・基盤施設の必要な面積の算出、複合施設及び基盤施設の整備手法、国有地取得支援)、松戸中央公園の整備手法の検討、都市計画手続きの検討を行う。
矢切観光(農業振興)拠点に係る整備基本計画の作成では、矢切地区において、農業の活性化や振興を目的とし、様々な人々が体験し楽しめる観光(農業振興)拠点の整備基本計画を作成する。同拠点は、市が整備・管理する公園エリア(約2ha)を18年に開園した後、民間参入エリアを18年度以降順次オープンする計画で、合計で約10haの規模を想定している。
具体的には、施設配置計画の作成としてゾーニングの設定、導入機能・施設の提案、配置計画の作成を行うとともに、事業化に向けた諸条件の整理・検討として法的条件の整理を行い、整備効果を検討。併せて概算事業費の算出、整備スケジュールの作成、都市計画手続きも行う。
松戸駅周辺交通体系の検討では、松戸駅周辺地区における交通実態調査及び交通施策効果の分析、松戸駅西口の中心商業地区における将来交通機能体系の検討(段階的な歩行者専用道路の整備、アーケード基本計画、西口デッキ再整備基本計画)、松戸駅東口における新拠点ゾーンへのアクセスルートの検討を行う。
松戸市土地開発公社保有地活用に係る整備基本計画の作成では、相模台公園より戸定フォーラム予定地への都市計画公園面積の移転について、戸定が丘歴史公園との一体化による整備を検討し基本計画を作成するとともに、坂川沿いの臨時駐輪場用地の活用について関係機関や地元と協議し、歴史と水の回遊拠点となるような(仮称)坂川親水広場の整備に向けて実施設計等を行う。
江戸川・西口公園に係る整備イメージの作成では、江戸川河川敷について親水広場等を含めた整備の方向性を検討し整備イメージを作成するとともに、西口公園について地域コミュニティの核となる再整備の方向性について検討し整備イメージを作成する。
このほか、松戸駅周辺地区戦略的まちづくりシナリオの検討では、基本構想における個々の状況や個別施策の効果を分析。それを踏まえて松戸駅周辺地区の東西一体的なまちの活性化に向けた具体的な手順を検討し、より効果的で実効性のあるシナリオを構築。併せて社会資本総合整備計画書及び都市再生整備計画書を作成する。
今回のプロポーザルについて市は、提案上限額を1億500万円(消費税を含む)として実施。2者が提案を行った。