清水建設北陸支店(山口眞樹執行役員北陸支店長)と同社エンジニアリング事業本部は9日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山で、「医薬セミナー2015」を開いた。薬の富山の歴史を踏まえ、同社が全国の支店で唯一、富山のみで実施しているもの。今回が5回目。
今セミナーは昨年に引き続き、医薬品メーカーの関心が高いPIC/S(医薬品査定協定・医薬品査察協同スキーム)|GMPリスクマネジメントへの対応について、原薬と無菌製剤、非無菌製剤の各分野で講演を企画。専門家である元医薬品医療機器総合機構(PMDA)GMPエキスパートが講師を務めた。
この日は、県内の医薬品関連企業から35社120人が参加。冒頭、山口支店長が「セミナーは5年連続で開催しており、ようやく富山県の医薬品業界で清水建設が認知されつつある。本日は、PIC/S GMPを中心としたホットな話題と当社保有技術などを紹介したい」とあいさつ。
セミナーでは、ファーマックスジャパン副代表(元医薬品医療機器総合機構)の平松勝太氏が、「リスクマネジメントに視点を置いた原薬製造所のPIC/S GMP監査ポイント」、同じくファーマックスジャパン副代表(元医薬品医療機器総合機構)の萬弘太郎氏が、「品質リスクマネジメントに視点を置いた非無菌固形医療品のPIC/S GMP管理について」、高崎健康福祉大学TRセンター長(元医薬品医療機器総合機構)の宮木晃氏が、「無菌医薬品製造におけるGMPと国内・海外査察への対応」と題し講演。
続いて、清水建設エンジニアリング事業本部医薬プロジェクト部の中川健太郎氏が、「医薬品製造設備の洗浄プロセス開発」をテーマに同社の技術を紹介した。北陸銀行の藤田寛執行役員産業調査部長による特別講演「富山県と医薬品業界」も行われた。
清水建設北陸支店の前田研一副支店長兼富山営業所長は、「医薬セミナーは富山のみの開催であり、富山の位置づけは高い。医薬品関連工場でのフルターンキーの実績も認めてもらえるようになってきた。今後もセミナーを続けていきたい」と話している。なお、同社北陸支店における98(平成10)年以降の医薬品関連施設の受注高は約300億円を超える。