石川県の谷本正憲知事は、9日開会した9月県議会定例会での提案理由説明において、耐震基準を満たしていない県立図書館(金沢市本多町3丁目)の建て替え、金沢競馬場スタンド棟(金沢市八田町)の耐震改修計画にそれぞれ乗り出す考えを示した。
県立図書館は、66年にSRC造4階地下2階建て延べ6394平方メートルが竣工、その後82年にRC造3階地下1階建て延べ3061平方メートルを増築した。知事は図書館について「全国で4番目に古く老朽化や狭隘化が著しい状況を踏まえると、建て替えざるを得ない」と明言し「新たな図書館のあり方について現在策定中の新長期構想に盛り込むべく、庁内にプロジェクトチームを立ち上げて早急に検討する」とした。
一方の金沢競馬場スタンド棟は72年竣工のRC造3階建て延べ1万4561平方メートルで、1・5万人収容。知事は競馬場に関して「緊急避難場所であり、まずは耐震改修計画を策定し、金沢競馬経営評価委員会で耐震改修が競馬事業の経営へ及ぼす影響について検証いただきたい」と述べた。
県の次世代産業として期待される炭素繊維分野について「航空機の構造材に使用される複合材料の原料を供給するなど具体の成果も現れている。来月に建築材料としての実用化に向けた研究会を立ち上げる」と述べた。
道路事業では、国道304号金沢市清水谷町〜東原町間2・2キロが10月31日に完成供用になるとしたほか、七尾道路の七尾市細口町〜東三階町間1・5キロ、能美東西連絡道路の能美市石子町〜末信町間0・6キロは年度内に完成させるとした。