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建設経済新聞社
2015/09/10

【京都】舞鶴にLNG基地等整備検討 10年後目標に事業化めざす

 北近畿エネルギーセキュリティ・インフラ整備研究会の初会合が9日、京都市上京区の京都府公館で開催。事業化の課題や今後の見通しなどについて意見交換した。
 同研究会は、京都府と兵庫県が共同で北近畿におけるLNG(液化天然ガス)基地や広域パイプライン整備について研究を行うため設置した。委員長は内藤克彦京都大学大学院経済学研究科特任教授。委員は青山繁晴鞄ニ立総合研究所代表取締役社長、足立誠兵庫県商工会連合会専務理事、今井一雄一般社団法人京都経済同友会北部部会長、栄坂儀和伊丹産業且謦役ガス事業部部長、五味裕一兵庫県企画県民部長、阪本光宏関西電力葛椏s支社総務部長、佐々木努鞄本総合研究所総合研究部門シニアマネジャー、薗利彦経済産業省近畿経済産業局電源開発調整官、平岡靖敏神戸商工会議所理事・産業部長、廣瀬久哲舞鶴市商工会議所会頭、三浦義礼大阪ガス葛゚畿圏部地域開発室長、山口寛士京都府環境部長。
 内藤委員長が「日本海側の新しいエネルギー国土軸と国土強靭化」と題し講演。北陸・中部・近畿を結ぶ日本海側にガスパイプランを整備することが国土強靭化に大きく寄与し、日本海・太平洋の国際メタンハイドレート資源の市場化にも寄与することなどを解説した。
 全国のLNG基地やパイプラインなど天然ガスインフラの整備状況を確認した上で意見交換を行った。
 委員からは「事業性が重要で課題」「北近畿のどういう所につくるかが大事」「どのルートを通るかが問題」「京都府、兵庫県は地理的状況が似ており、これまでは南側にインフラ投資が集中してきた。今回、エネルギーのインフラ整備を先導する地域として京都丹後地域、兵庫但馬地域で検討を進めることになった。パイプラインがあればできることが増える」「経済性だけで語るのではなく、地域活性化などの面も考えないといけない」などの意見が出た。
 燃える氷とも称されるメタンハイドレート(MethaneHydrate)について、委員から「日本海側では新潟県、兵庫県沖で確認されている」「メタンハイドレートの下には天然ガスがあるとみられる」「メタンハイドレートが採掘されれば、整備された舞鶴港は活用できる」と北近畿でのパイプライン等整備の可能性を指摘。「政府は3年後の30年からメタンハイドレートの商業化に入るとしている」「海底表面に露出した表層型のメタンハイドレートは28年4月に実際に採取する予定」「東京五輪後の5年、今から10年後をメドに事業化できると考えている」「パイプライン敷設にコストはかかるが、一度敷設してしまえばメンテナンスを含めランニングコストは安い」などの意見が出た。
 事務局の京都府は「日本海側が空白地帯になっている。舞鶴にLNGの基地を作りたい」と考えを示し、「パイプラインのルートについても研究会で意見を聴きたい」とし、事業化については「概ね10年後を目標に考えている」と見通しを明らかにした。