大阪市は、水道事業での公共施設等運営権制度の活用について、2018年度から運営会社による業務を開始するスケジュールを提示した。
運営権制度を導入するための条例改正案を16年2月市会に提出し、議決が得られれば、16年5月市会に運営会社設立などの経費を含む補正予算案を提出、17年5月市会に運営会社に運営権を設定するための議案を提出する見通しだ。14年に示した当初スケジュールから2年遅れての業務開始を目指すことになる。
公共施設等運営権制度は、上下分離方式の経営形態で、施設の所有権を公共に残したまま、施設を運営して利用料金を収受する権利を民間事業者に設定することができる。11年のPFI法改正により創設された。
運営会社は、市の100%出資で設立する株式会社で、水道事業に関連する職員の雇用を承継(派遣)、運営権を設定、事業を実施する。
運営会社への当初出資は、水道事業会計から110億〜140億円程度(現物出資含む)を見込む。運営会社本体の株式は、事業開始後3〜5年をめどに社会情勢などをみながら一部売却を検討する。子会社(関連会社)は、民間企業からの2分の1超の出資を募り、民間のノウハウを積極的に取り入れる考え。
市は当初、大阪広域水道企業団と首長会議で統合案を策定、府域一水道を目指したが、統合案が市会で否決され、公共施設等運営権制度による上下分離による民営化に方向を切り替えている。
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建通新聞社