福島建設工業新聞社
2015/09/07
【福島】30年の本運転目標/南相馬市鹿島区万葉の里風力発電
南相馬市鹿島区沿岸に「万葉の里風力発電所」の建設を計画している鞄相馬サステナジー(南相馬市原町区大町3の30)は、29年度の発電施設着工を目指し、今年度は現地の発電施設と鹿島区の東北電力変電所を結ぶ系統連繋高圧線の建設に向けた手続きとプロジェクトファイナンス創生のための準備を進める。29年に基礎工事に着工、同年秋には風車を据え付けて試験運転を開始、30年の本運転開始を目指す。全量を東北電力に売電する。
同社は、南相馬市内の建設業者などが共同出資した特定目的会社で、日立パワーが支援している。同発電所は震災復興のシンボルとして津波被害が大きかった南相馬市鹿島区の請戸川河口北側に計画した。ドイツのエネルコン社製出力2350`hの風力発電機を採用、4基を設置し推定年間発電量は1万3626メガh時となる見込み。18年間のリース方式で施設整備を進める。県の地域総合資金貸付制度(ふるさと融資)の活用も視野に自然保護活動など地元貢献策も検討する。
同社は26年2月に環境アセスメント(特定環境影響評価)の手続きを完了し、海岸防災林造成事業などとの調整を行っている。今年度は土地貸借同意書取得後に基礎部分の設計、ボーリング調査を行う。28年前半に設備を発注し約1年間で風車を製作。29年初めから造成・基礎工事に着手、同年春以降に電気工事・送電線工事を予定している。
この地区ではソーラーパワー南相馬鰍ェ約50fの用地で「南相馬真野右田海老太陽光発電所」を計画しており、変電所までの系統連繋高圧線は南相馬サステナジーと共同で利用する。