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日本工業経済新聞社(群馬)
2015/09/04

【群馬】県9月補正予算案でコンベンション基本設計費

大澤正明知事は4日、9月補正予算案を発表した。債務負担行為を含め、コンベンション施設の基本設計費に計2億400万円を盛り込んだ。プロポーザルかコンペ方式で選定していく。また、新規で「女性技術者が活躍できる建設産業の環境づくり」に着手する。建設産業界の職場環境が女性にとって働きやすいものになるよう、女性向け支援を行う計画だ。公共事業費は、環境森林部と県土整備部で計9億5800万円を追加した。(3面に主要事業掲載)
コンベンション施設整備推進事業には計6674万5000円を措置。このうち基本設計委託費に4800万円を充てる。2016年度を期間とする1億5600万円の債務負担行為も設定しており、基本設計費は総額2億400万円とした。基本設計の工期は10カ月程度を見込んでいる。
設計者選定に当たっては、選定委員会の開催費115万円を別途計上した。県コンベンション推進課は「プロポーザルかコンペ方式での選定になる」と話している。選定委員会の開催時期は現段階では未定だが、できるだけ早期の選定を目指していく。このほか、高崎競馬場跡地の既存施設解体費に1759万5000円を措置。一部施設の解体にも取り掛かる。16年度に実施設計、17年度中の着工となりそうだ。
また、新規でコンベンション施設建設基金5億円を積み立てる。施設建設に備え、新たに基金を設置し、年度ごとの費用負担の平準化を図る。
「女性技術者が活躍できる建設産業の環境づくり」には340万円を措置した。大きく分けて◇女性技術者のための職場環境改善を検討するワークショップ◇女性技術者らによる講演会◇就職広報誌の作成−の3事業を行う計画だ。
ワークショップでは@期待される職種の拡大A新技術・新工法の提案B職場環境の改善C安心して働ける雇用条件−の4つの課題を検討していく。
@では例えば測量や設計、重機オペレーターなど、建設産業の中で女性でも活躍できる職種を、女性目線で発掘、提言してもらうことを想定している。Aでは男性との体力面での差を補うため、建設現場における新技術・新工法の提案を行う。Bではトイレや休憩所などの目に見える環境について、女性が気持ちよく働ける体制づくりを検討し、Cでは育児休暇や子どもの送迎、福利厚生、各種保険など、女性が安心して働ける雇用条件を考えていく。
講演会は、基調講演のほか、実際に活躍している女性技術者らによるディスカッションを行い、生の声を聞ける内容になりそうだ。ワークショップの結果や講演会の情報をまとめる形で就職広報誌も作成し、県内の高校や大学、専門学校などに配布する。
これらの環境づくりは、国の「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)」を活用して行う。交付が決まった場合は年度内の実施を見込んでいる。こうした一連の取り組みを通して、女性が働きやすい職場環境づくりを行い、女性の定着支援、新規入職者確保を目指し、業界が抱える人手不足の課題解決を図る。
公共事業費は、国交付金の内定に伴う増額補正とともに純単独費も増額計上。交付金増に伴い、7つの交通軸整備・強化に16億596万4000円、計画的な舗装補修に22億4116万8000円を計上した。
また、東毛地区の自治体からの要望を受けて、オーダーメイド団地を整備することとなり、用地費と補償費計6億6000万円を盛り込んだ。
大澤知事は記者会見で公共事業について「道路整備の効果は大きい。治水・治山の予防対策もしっかり取り組みたい」と語った。女性進出について「建設業に女性も入ってきているが、まだまだ女性が活躍できる余地があり、『入ってきて初めて分かった』という話も聞いている。女性の進出は幅広い業種で、決めつけずにやっていかなければならない」と示した。
9月補正予算案の規模は51億2720万7000円で、補正後の総額は7223億3391万4000円となる。