日本工業経済新聞社(山梨)
2015/09/04
【山梨】公共予算増額を/県建協が整備局と意見交換
国土交通省関東地方整備局と県建設業協会による意見交換会が3日、甲府市のベルクラシック甲府で開かれた。関東整備局では、総合評価方式や建設行政の動きを紹介。建設業協会では、深刻な経営環境を打破するため公共事業予算の大幅増額や改正品確法の遵守徹底などを要望した。
あいさつで関東整備局の安田吾郎企画部長は、改正品確法や災害への備えなど最近の建設行政について触れ、「受発注者が協力して、良質な社会資本を国民に届けてまいりたい」と強調。
県県土整備部の大野昌仁部長は、山梨県内の社会資本整備の課題を挙げ、「本日のご意見を今後の県土行政に取り入れたい」と、会議の充実に期待を寄せた。
建設業協会の浅野正一会長は、公共事業予算の削減などで県内の建設業者が直面している厳しい状況を吐露。「受発注者の双方が課題や情報を共有し、より良い方向へ進めることができれば」と述べた。
情報提供では、関東整備局が2015年度の入札方針や担い手確保・育成への取り組み、社会保険未加入対策、14年度要望への対応状況などを説明。また、塩山建設業協会や市川建設業協会が災害対応や地域貢献活動などの取り組みを紹介した。
意見交換では、建設業協会が@公共事業予算の確保A改正品確法の遵守へ、予定価格の適切な設定、歩切り根絶、発注時期の平準化、適切な設計変更―などを要望。関東整備局では、必要な公共事業予算を安定的・持続的に確保するよう努力しており、適正や予定価格設定や歩切りが違法であることの周知に努めているなどと回答した。
最後に関東整備局の藤井健副局長は、社会資本整備には受注者や発注者だけでなく、国民の理解も必要と強調。「国土発展へのビジョンを持ち、ビジョンを共有して、安定予算の確保につなげてまいりたい」と述べた。