高知県は8月28日、南海トラフ地震対策推進本部会議を開き、2016年度から3カ年で実施する第3期南海トラフ地震対策行動計画の骨子案について示した。13〜15年度で実施した第2期行動計画の考え方を踏襲しつつ、第2期の総括により明らかになった課題を反映させることを基本方針とする。
骨子案では、国が策定した具体計画と連動した県の行動計画の連続性について確認。まだ着手できていない項目を整理し、第3期行動計画に反映させる方針。具体的には、道路啓開に必要な重機と燃料の供給体制に係る検討、応急期の機能配置計画の策定、監視カメラの整備、物資配送計画の策定、燃料備蓄計画で燃料の必要量の検討などがある。
会議では、第2期行動計画の総括案として、取り組みの成果と見えてきた課題についても示した。取り組みの成果としては、命を守る対策として、津波避難空間の整備が計画の94%完了し一定のめどが立ってきたこと、江ノ口川と鏡川に挟まれた中心市街地の河川堤防の耐震化が16年度に完了見込みであることなどを挙げている。見えてきた課題については、既存住宅耐震化の取り組みを加速化、8の字ネットワークの早期整備、道路啓開計画に連動した孤立住宅への緊急用ヘリ離発着場の整備、地籍調査の加速化などを挙げている。これらの成果を踏まえた課題を第3期行動計画に反映させる。
11月に開催予定の次回会議では、第3期行動計画の素案を承認し、16年度関連予算の概算要求について示す予定。その後、パブリックコメントにより県民からの意見を反映させ16年2月に開催予定の会議で計画案を承認する。
提供:建通新聞社