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　新庁舎の建設計画を進める小林市は、梓設計に委託している実施設計をことし１０月頃までに完了させ、今年度に本体工事に着手する予定でいる。実施設計の内容を踏まえ、庁舎建設に係る事業費を確定させたのち、今年度着工に向けた本体工事費を盛り込んだ補正予算案を市議会に上程する見通し。予算案上程の時期は現時点で未定だが、予算化後、各工事の入札手続きを経て施工業者を決定し、早期に着工する方針だ。
　経年に伴う既存庁舎の老朽化に加え、庁舎建設の財源に充てる合併特例債の活用期限が迫っていることから、既存庁舎を一部解体した上で、現在地に新たな庁舎を建設する。新庁舎のコンセプトに「夷守の庁舎」を掲げ、市固有の歴史と精神を受け継ぎ、まちづくりの中枢・シンボルとして精神的な拠り所となる庁舎を実現する。
　新庁舎は、ＳＲＣ造＋Ｓ造４階建延べ４９５９m2の行政棟と木造３階建延べ２０７２m2の議会棟で構成し、敷地内には来庁者用駐車場や公用車用駐車場を確保する。庁舎建設に係る基本・実施設計は梓設計が担当。市が昨年７月にまとめた基本計画では、外構や解体、委託料等を含む建設事業費として約２９億円を見込む。
　整備に際しては、市民の利便性向上はもとより、議会棟の構造や内装に木材を使用すると共に、行政棟に於いても積極的に内装の木質化を図るなど、小林地域の豊富な木材資源を有効に活用する。誰もが使いやすく分かり易いユニバーサルデザインを導入し、災害時の防災拠点としての機能も考慮する。
　このほか、既設の第１別館は大会議室及び書庫(永久保存書類)などとして活用し、第２別館には水道部局を配置する。敷地内には、市民が利用できる駐車場１２０台や公用車用駐車場７０台を確保。障がい者にも優しい駐車場として、一部は屋根付とする。
　現在は、梓設計に於いて庁舎建設に係る実施設計が進められており、計画では１０月末頃までに同業務を完了させる。新庁舎建設の障害となる既設の議会棟(ＲＣ造３階建延べ１１６０m2)は、ことし１０月頃に解体工事の入札を指名競争で執行し、１２月頃までに解体工事を完了させる。
　一方、新庁舎の本体工事に関しては、実施設計の内容を踏まえて事業費を確定させ、今年度の着工に必要となる事業費を盛り込んだ補正予算案を市議会に上程する。議会上程の時期は「現時点で未定」としているが、予算化と並行して業者選定に係る入札方式等についても協議を行い、早期の着工、２０１７年３月の完成、同年４月の移転を目指す。