(一社)千葉県建設業協会と千葉県建設産業団体連合会(いずれも鈴木雅博会長)は2日、千葉市内のオークラ千葉ホテルで講演会を開き、来年7月に予定される「第24回参議院議員通常選挙」(比例代表)で、建設業職域代表候補の元国土交通省技監・足立敏之氏を講師に招いた。いずれも上部団体である(一社)全国建設業協会と(一社)全国建設産業団体連合会が今年6月、同候補に「足立氏が最適任である」としてそれぞれ推薦を決定。組織を挙げての一体的取り組みに向けて支援を行うため、県内建設業における一般社団法人として「業界を牽引」する千葉県建設業協会と、「唯一の横断的組織」である県建産連がこの日、本県建設業の総意として、講演会の壇上で足立氏に推薦状を手渡した。
「建設産業再生」のため 講演会の開会に先立ち、主催者を代表して鈴木会長は、中国経済の下降に端を発する「世界同時株安」の報道について「実際に円高や株価の乱高下が続いており、今後の日本経済に対して不安感が広がる情勢になっている」と指摘。順調な回復基調にあった日本経済を維持していくためには「自民党を中心とする連立政権体制による経済政策の推進を支持し、継続することが出来るように対応していくことが肝要だ」と強調した。
一方、今期を以って勇退する建設業職域代表の脇雅史参議に対して「国土強靱化法」や「改正品確法」などの成立をはじめ「何よりも我々の側に立って、公共事業の必要性をアピールし、地方の建設産業の活性化に尽力して頂いた」との感謝と労いの言葉を述べたうえで「それらの意味も含めて、脇先生の後継候補者である足立敏之氏の大勝利を期して、応援態勢の強化を図らねばならないと意識している」と訴えた。
成し遂げたい3つ これを受けて足立氏は、講演会の席で「何とかやり遂げたいことがある」と述べ、@「建設産業再生」のため改正品確法の趣旨の徹底A公共事業予算の確保B建設産業の果たす役割を正しく知ってもらうこと――の3つを掲げて熱く語り、出席者に対して支援を求めた。
足立氏は1954年生まれ。79年3月に京都大学大学院を修了し、同年4月に建設省(現・国土交通省)に入省。東北、関東地方整備局などで勤務し、近畿地方整備局企画部長(2003年)、四国地方整備局長(09年)、中部地方整備局長(11年)、水管理・国土保全局長(12年)などを歴任し、13年に技監に就任。昨年7月に国土交通省を退職した。
国土交通省技監としての在任期間中は、太田大臣に対して積極的に具申。建設業界と密接に関係している約15%に上る労務単価の見直し、調査基準価格のアップ、各種スライド条項の活用、一般管理費のアップ、さらには品確法の改正及び運用指針の策定にあたり、行政側の中心的な役割を果たしてきた。建設業の発展に向けて強い意欲を持つことから、自由民主党から次期参議院議員選挙比例代表選出議員の候補として、8月3日に公認を受けた。