堺市は、(仮称)堺市総合防災センター整備事業で、建設地を現在の芋池のある箇所とする考えだ。9月29日まで開会中の8月定例会に、用地買い入れに伴う議案を提出しており、議会での承認後、用地取得手続きを進める見通し。
議会承認後は、用地取得手続きと並行して、敷地造成設計を進めることになる。発注時期は、議会承認後の早い時期が見込まれる。
議案書によると、建設地は堺市美原区阿弥129ノ1他で、ため池1万8167平方bと堤2797平方bの計2万0964平方b。
総合防災センターは、▽堺市美原町合併新市建設計画▽南海・東南海地震や上町断層帯に対するリスクが比較的低く、かつ津波による被害リスクがない▽市役所・消防局庁舎と離れていて被災リスクを分散できる▽阪和自動車など東西南北方向の緊急交通路が確保、平常時の交通アクセスが良好で訓練中でも迅速に災害出動が可能―などの理由で美原区内に設置する計画。
基本構想などによると、機能としては、消防職員や消防団員の災害対応能力を向上するための高度訓練施設機能、防災に関する市民などへの教育啓発・研修機能、自主防災組織の教育訓練・活動支援機能、緊急消防援助隊などの活動拠点機能、備蓄倉庫機能、救援物資の中継・分配機能、災害時における活動拠点機能などを盛り込む。
全ての機能を盛り込んだ場合の施設規模は、センター庁舎や訓練棟などで延べ床面積9000平方b程度が見込まれる。基本構想策定は梓設計(大阪市北区)、基本計画策定は山下設計(大阪市中央区)がそれぞれ担当。
造成設計は1年程度が見込まれるため、2015〜16年度に造成設計、16年度から造成工事の着手が今後のスケジュールとして想定される。
現在の訓練施設の戎島訓練所は、敷地面積1万平方b程度と狭いほか、仮設資材で組まれた施設で訓練しているなど課題を抱えている。
同センターは、堺市美原町合併新市建設計画(05〜14年度までの10カ年)の後期計画に実施事項として位置付けられていたものの、これまで用地が決まっていなかった。
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建通新聞社