福島建設工業新聞社
2015/09/02
【福島】福島テレビ新社屋整備/施工者選定ECIで
福島テレビ(糠澤修一社長)は、新社屋整備プロジェクトの施工者公募にECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式を採用する予定で、10月1日に参加資格などに関する説明会を開く。公募への参加申し込み受付後、11月末に基本設計図書を交付。見積書と技術提案書は28年1月15日期限で提出を求め、2月末から3月上旬に施工者(優先交渉者)を選定する予定だ。同プロジェクトは震災被害を受けて計画したもので、新社屋の建設と情報センターの一部改修、既存社屋の解体、屋外整備など、ほぼ全面的な建替整備事業。工事は5月から既存の本館地下トレンチ盛替工事を進め、新社屋建設は10月着工で計画している。
説明会への参加申込書は、同社ホームページから入手できる。申込書は18日午前9時から午後3時まで、経営管理局への持参提出を原則とし、事前に電話による提出時間の調整が必要となる。
10月1日の公募説明会ではプロジェクト概要、公募の主旨と参加資格などを説明する。公募資格要件には、放送スタジオの施工実績などが想定される。単体での応募のほか、特定JVでの参加も検討する見込みだ。説明会参加に関して要件は設けていない。
公募への参加申込書提出期限は、10月30日午前9時から午後5時とする方針。11月10日、11日に現地説明会・建設予定地視察を行い、同30日に基本設計図書を交付するほか、見積もり要項、VE提案を含む技術提案書の依頼内容などに関して説明する予定。
見積書と技術提案書は28年1月15日必着とし、同社審査委員会で検討・審査後、2月末から3月上旬に優先交渉者を決定する予定だ。
同社は昭和38年、現在地の福島市御山町地内で開局した。社屋はSRC一部S造2階建て延べ1900・85平方bの旧館で業務開始し、カラー放送を開始した同45年には、RC造地下1階地上5階建て延べ4965・49平方bの本館、S造平屋120平方bの倉庫を建設。平成7年にはRC一部S造2階建て延べ2040平方bの情報センターを増設し、屋上に電波塔を設置した。
開局50周年の25年4月に向けて設備機器等の更新・充実を検討したが、23年3月に東日本大震災が発生。多くの窓ガラスが落下するなど社屋各所に損傷を受けた。地域に根差す情報発信基地としての役割を持つメディアとして、職員の安全安心の確保と放送の堅持を最重視するとともに、信夫山と調和した施設整備の実施を決めた。
新社屋は現在地の敷地5514・8平方bに整備する。規模はS造(基礎免震)6階建て延べ約6000平方bで計画し、30年6月の完成を目指す。
31年以降に情報センターの改修(約1400平方b)、既存の旧館、本館、倉庫の解体、屋外整備(駐輪場約70台、植栽・広場整備等)を進める。50台程度収容のサイクルスタンドも整備する計画だ。
工事は付帯設備や解体等を含めて一括発注とする。概算工事費は30億円程度を見込んでいる。
基本・実施設計は、県建築設計協同組合の支援で公募型プロポーザルを実施し、参加・提案した5者から三菱地所設計を3月に選定、契約した。
ECI方式は、設計段階から施工予定者が技術協力を行うことで、施工性を考慮した設計や工期短縮など、発注者、設計者、施工者に利益がある契約方式として、官民問わず採用例が増えている。