淀川の三川合流部に計画されている(仮称)背割堤サービスセンターの展望塔の新たなデザインが決まった。「機能美」をテーマに、無駄のない形態・構造を追求。構造材ブレースは丸パイプとし、周辺の自然に映える、白系の色彩を採用するという。建設工事は同サービスセンターの本体工事から切り離し、別途発注する。本年度中に入札公告などの発注準備を進め、2016年度早々の着工を目指す。国土交通省近畿地方整備局の直轄工事となる。
新デザインは、三川合流域拠点施設検討委員会の第4回会合(8月24日)で全3案を比較検討し決定した。丸パイプの径は約20a。内部のエレベーターコアをグレー系とすることで、外側の白系の鉄骨フレームを強調させる。イベント時には電球(LEDなど)を取り付け、夜間に点滅点灯し川の流れの動きなどを表現する。
このほか、ランニングコスト、イニシャルコスト、施工性、工期のいずれも一般的と評価された。
淀川の三川合流部(桂川、木津川、宇治川)では、近畿地方整備局、京都府、地元自治体などが連携し、淀川河川公園背割堤地区に新たな拠点施設を整備することを計画。07年には合流域の地域づくり構想を策定し、その後、学識経験者や地域の関係者とともに施設の整備や利活用について検討を進めてきた。
計画では、現行の公園開設区域約20f(桜並木など)の東側に約0・4fを追加し、背割堤サービスセンターを整備する。導入機能は展望塔184平方bのほか、管理棟(情報発信スペース、物販コーナー、イベント広場、学習室)606平方b、駐車場など。現在、都市環境設計(大阪市浪速区)で設計中。展望塔を除く管理棟の本体工は年内にも発注し、年明けの着工を予定。展望塔とともに16年度末までの完成を目指す。
完成後の施設の利活用については、サイクリングを楽しむ人が立ち寄ったり、学校の遠足、地元の採れたて野菜の販売や特産物を使った商品の提供など、さまざまな利活用方法が考えられている。
淀川河川事務所の担当者は「施設ができて終わりではなく、今後のまちづくりのきっかけになればいい」と話す。
来夏には同施設の名称を公募するとしている。
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建通新聞社