東日本旅客鉄道株式会社秋田支社の白石敏男支社長は1日、県、秋田市と同社の3者による「地方創生に向けたコンパクトなまちづくりに関する連携協定」の締結式に臨んだ。老朽化して分散した配置となっている支社ビルを現在の位置の南側に集約し、鉄骨造5階建て、約6,250u規模(1棟)で建て替えるとともに、現在の支社ビル跡地を含めたJR秋田駅西口、東口などの自社用地を活用し、駅周辺の賑わい創出に寄与する事業を検討する。
連携協定の締結式には佐竹敬久知事、穂積志秋田市長、白石支社長が出席。3者が相互に連携・協力し、地方創生に係る総合戦略の趣旨を踏まえ、コンパクトなまちづくりに向けた取り組みを推進する。JR東日本秋田支社は、県や市の総合戦略やまちづくりに向けた取り組みを踏まえ、秋田駅周辺における自社用地を活用した事業を検討する。
白石支社長は駅東口周辺で移住を希望する高齢者を受け入れる「秋田版CCRC」の構想については、あくまで「駅周辺活性化における選択肢のひとつ」とし、「具体的な計画は現段階でない」と明言、今後はCCRCについてさらに勉強し、実施の有無も含め検討したいとした。
連携協定締結式の終了後、JR東日本秋田支社の単独会見も行われた。秋田支社ビルは建設から50年以上を経過。既存は3棟あり、合計延べ床面積は9,130u。西口の敷地は駅ビル駐車場も含めて計13,000uで、このうち7,000uを新たな支社ビル用地に充てる。支社ビルは新ビル完成後に解体し、残りの敷地約6,000uと、駅東口のこまち駐車場など約13,000uを活用し、県・市との連携協定を踏まえた駅周辺の賑わいに向けた事業を検討する。
新たな支社ビルのエントランス内装には秋田杉を使用。48時間対応の非常用電源を設け、大規模地震など災害発生時における列車運行に関する電源も強化する。設計・施工監理は東日本旅客鉄道東北工事事務所とジェイアール東日本建築設計事務所が担当。着工は年明け1月となる見通しで、今後施工者を決定する。支社ビルの使用開始は平成29年春となる見通し。
提供:秋田建設工業新聞社