建設新聞社
2015/08/28
【東北・福島】福島市が土湯温泉再生へ廃旅館改修設計を委託
福島市は、土湯温泉町地区都市再生整備事業に伴う旧観山荘改修基本設計を1450万円で造建築事務所、公衆浴場「中之湯」ほか実施設計業務を5850万円で桂建築設計事務所にそれぞれ委託した。
旧観山荘改修基本設計は、制限付一般競争の対象として26日に入札した結果で、入札には造建築事務所のほか設計室NOAH、小坂建築設計工房、杜設計が参加した。また、中之湯ほか実施設計は、基本設計を作成した桂建築設計事務所と20日に随意契約したもの。
この事業は、原発事故による風評被害で観光客が減少し廃業する旅館が相次ぐなど、危機的状況に置かれた土湯温泉町地区の再生を図るため、市が廃業旅館を取得し集客拠点とするほか、市道の高質化などを行うもの。
対象区域は、福島市南西部で磐梯朝日国立公園内に当たる土湯温泉町見附ほか地内の約20f。事業期間は2014年度から18年度までとし、総事業費は約21億円を見込む。
今回改修基本設計を委託した「観山荘」は、1987年築の旧館、94年築の新館などで構成し、全体規模はRC一部S造4〜5階建て、延べ4941平方b。2011年に廃業しているが、温泉街の玄関口という立地条件から市が施設を取得し、観光案内所、足湯などを想定した改修を行う。基本設計は地域住民や市担当者などで組織する再整備協議会での検討内容を反映させながら作成し、16年度以降に実施設計を発注する。
一方、中之湯ほか実施設計の内容は、13年に廃業した「いますや旅館」を観光交流センターに改修するほか、隣接する公衆浴場「中之湯」を改築するもの。「いますや旅館」は、1995年築でRC造7階建て、延べ2506平方b規模。このうち約1500平方bを改修するとともに耐震性が低い部分については除却し一部改築する。また、「中之湯」は、約450平方b規模で温泉地のシンボル的な公衆浴場とする。
2業務とも履行期限は16年3月31日まで。
提供:建設新聞社