三重県は8月26日、国の「地方創生に資すると考えられる政府関係機関の地方移転に係る提案」の募集に対し、気象庁を津市、志摩市へ誘致するなど9機関を誘致する提案を発表した。国への提出は8月末が締め切りで、今後、国がヒアリング、有識者会議などで検討し、2016年3月に移転機関を決定する予定。8月24日時点では、愛知県が7機関、岩手県が5機関を提案している。
国は、機関誘致の提案に当たり、誘致の必要性・効果、移転先の施設の確保・設置のための条件整備の案などを求めている。検討に当たっては、研究能力の確保・向上、地域への波及効果などを評価ポイントとして挙げている。
提案する機関は次の通り。(▽機関名―@移転先A誘致の狙いなど)
▽気象庁(危機管理部署を除く)―@津市(小児医療センターあすなろ学園、草の実リハビリテーションセンター)、志摩市(県志摩庁舎、旧小中学校)A気象やさまざまな災害に対する観測・研究拠点
▽JNTO(日本政府観光局)―@伊勢市(民間施設)A国際観光都市として、日本の魅力を発信
▽環境調査研修所―@四日市市(鈴鹿山麓研究学園都市センター、旧三重ソフトウェアセンター)A四日市市と連携し、環境行政に関わる専門・先進的な人材育成の取り組みを強化
▽森林技術総合研修所(技術機械化センターを除く)―@伊賀市(旧中学校)A最新の技術習得、実践的な実地研修などを通じた、森林・林業行政に関わる人材育成
▽水産総合研究センター本部、開発調査センター―@鳥羽市(市公共施設など)A研究や開発における相互連携を図り、さらなる水産業の振興を図る
▽石油天然ガス・金属鉱物資源機構石油開発技術本部の技術センター(一部の部署)―@志摩市(旧小学校)A同センターが志摩半島沖でメタンハイドレートの海洋産出試験を実施しており、新エネルギーの研究開発拠点を目指す
▽防災科学技術研究所(一部の部署)―@尾鷲市(市公共施設)A尾鷲市沖の地震・津波観測監視システム(DONET)の観測データの利活用などによる防災減災対策の強化
▽教員研修センター(研修の一部を開催)―@津市(三重大学)、伊勢市(皇學館大学)A同センターの一部の研修を行い、教育力の向上につなげる
▽自治大学校(研修の一部を開催)―@伊勢市(皇學館大学)A同大学の一部の特別課程を行い、民間企業を含めた、女性活躍の推進を図る
提供:
建通新聞社