秋田県河川砂防課は、秋田沿岸海岸保全計画(平成15年度公表)を修正するため、パシフィックコンサルタンツに業務を委託した。海岸法の改正で海岸管理者の維持や修繕義務が明確化され、政府の海岸保全基本方針の変更により、都道府県計画に海岸保全施設の維持や修繕に関する事項が新たに規定されたことなどを受け、維持・修繕の事項を追加する。L1津波の記載や船川港における計画堤防高の変更も検討する。
県では平成24年12月、最大クラスの津波浸水想定を公表し、25年9月には海岸保全施設などの施設整備に必要な設計津波の水位を公表した。昨年6月には、津波や高潮などに対する防災・減災対策の推進や海岸の適切な管理を目的に、国が海岸法を改正。同12月には海岸保全基本方針が変更され、各都道府県の海岸保全計画に定める事項として「海岸保全施設の維持または修繕に関する事項」が新たに規定された。
県はこの状況を踏まえ、15年2月に公表した「秋田沿岸海岸保全基本計画」を修正検討する。対象地域は県内6区域の海岸(鳥海岩礁、由利砂浜、秋田・船川砂浜、男鹿岩礁、能代砂浜、八森岩礁ゾーン)で、総延長は約264km。
前回の基本計画策定から経年で変化した事項の時点修正や、海岸保全施設の維持または修繕に関する事項の追加、L1津波の記載や船川港の計画堤防高の変更を検討する。構造物計画や維持修繕方法を記した表や、主要海岸保全の概略位置図を示す添付図も変更する。
今回、委託した業務では、計画策定時からの時点修正に基づき、海岸の現況や保全の方向性、海岸防護に関する事項などについて案を作成。現計画における海岸保全施設整備の基本的な事項をもとに、地区海岸ごとの新たな状況や海岸の特性を踏まえ、整備方針や防護面、環境面、利用面における海岸の目標などを取りまとめ、海岸保全施設の整備に関する基本的な事項(案)を作成する。
海岸保全施設の維持や修繕については、区域や施設の種類、規模や配置、施設の維持または修繕について検討・とりまとめを行う。これらの検討を踏まえて海岸保全施設を整備しようとする地域や、海岸保全施設の種類・規模・配置等、受益地域やその状況などを記載した一覧表・図面も作成する。
提供:秋田建設工業新聞社