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建通新聞社
2015/08/27

【大阪】近畿地整・橋建協/若手チャレンジ試行検討

国土交通省近畿地方整備局と日本橋梁建設協会(橋建協、石井孝会長)との意見交換会が8月25日に大阪市内で開かれた。橋建協は、若手技術者の配置を促す方式で企業による支援体制を評価するよう要望。同局は「若手チャレンジ評価型(総合評価方式)の橋梁上部工への試行導入を検討する」と答えた。
 若手チャレンジ評価型は、40歳以下の若手技術者に対して監理(主任)技術者としての経験を積ませること、企業による育成を促すことが狙い。これまでに舗装や土木などで試行し一定の成果を上げている。
 意見交換には、近畿地方整備局から、山田邦博局長、小林稔企画部長、石原康弘道路部長ら幹部が出席。冒頭、山田局長は「防災やメンテナンスに計画的に取り組む一方、道路整備などがもたらす経済効果を分析し、インフラ整備の重要性を広く知らしめることが大切だ」とあいさつした。
 橋建協の要望事項は、大きくは▽鋼橋工事の円滑な遂行▽鋼橋保全事業の環境整備▽担い手の確保・育成―の3点だった。具体的には、トラス・アーチ橋などの多様な橋梁形式(特殊橋梁)の採用、発注の平準化、適切な現場工期の設定、「夢を描けるプロジェクト」の計画など、技術の伝承や若手技術者の育成につながる施策の実現を強く求めた。
 特殊橋梁については、「保全技術者の養成のため、経験技術者、技能者が存在している現状での技術の伝承が急がれる」と説明。夢を描けるプロジェクトは、長大橋の計画を要望。「特殊橋梁は景観美がある。完成後、観光資源として一定の経済効果を発揮することなども考慮し、コストを算出してほしい」とした。
 石原道路部長は「課題はあるが、前向きに検討したい」と答えた。 
 石井会長は「鋼橋はコストが高いと言われるが適切に補修すれば100年使える。上下部工を含めれば十分見合うこともある。鋼橋の建設、維持管理を担う業界の存続、発展に向け配慮をお願いしたい」と述べた。
 今回の意見交換では1995年度以降減り続ける鋼橋の発注量や、相次ぐ協会会員会社の廃業、撤退、統合が背景にあることがうかがえた。ピーク時(95年)に86万dあった発注量はここ数年、25万d前後で推移。会員数は最多の76社から33社に減少している。

提供:建通新聞社