宮崎建設通信社
2015/08/26
【宮崎】予算化後、早期に入札手続き開始 日向市新庁舎建設事業
新庁舎の建設計画を進める日向市は、今月28日に開会する市議会9月定例会に、庁舎建設工事費や附帯工事費、関連業務委託料の一部を盛り込んだ補正予算案を上程する。9月定例会で予算案が承認されれば、早期に本体建設工事に係る入札手続きを開始する見通し。施工予定業者を決定したのち、12月定例会で工事請負契約に係る承認を受け、今年度中に着工する。
現庁舎東側広場及び駐車場敷地に建設する新庁舎の規模は、RC造4階建延べ約1万1500m2。最高高さは約21mで、大地震発生時にも庁舎機能が失われないよう、免震構造を採用する。建設にあたっては、新庁舎建設までを1期工事、完成後に行う既存庁舎の解体や駐車場整備などを2期工事と位置付ける。
新庁舎の1階部分には市民サービスに関する窓口のほか、作品展示やイベントができるホールを配置。2階〜3階には一般執務室や市長室、市民情報室、市民団体等が利用できる会議室を設ける。4階には議会や教育委員会が入居するとともに、講演会や多数の出席者のある会議に対応できる委員会室を配置する。
来庁者駐車場は、現在、臨時的に芝生広場に駐車している台数分も含めた同程度の駐車台数(約255台)を常設で確保する。災害対策として、南海トラフ巨大地震で想定される浸水高よりも1階部分の床を高くする。新庁舎西側に設ける広場は、1階ホールと一体利用できるだけでなく、災害時の避難広場としての役割も担う。
ことし11月末頃の業務完了を目指し、現在も新庁舎建設に係る実施設計が内藤・安藤アーク甲斐JVで進められているが、このうち1期工事に係る設計が概ね完了したことを受けて、市は新庁舎建設工事費や附帯工事費、関連業務委託料の一部となる3900万円を盛り込んだ補正予算案を市議会9月定例会に上程する。
8月28日〜10月6日の日程で開かれる定例会でこれらの事業費を盛り込んだ予算案が承認されれば、早期に本体工事に係る入札手続きに着手する方針。入札を経て施工予定業者を決定し、12月定例会で工事請負契約に係る承認を受け、今年度中に着工する予定でいる。
■建設市場高騰で事業費など見直し
一方で、東日本大震災復興事業の本格化に加え、首都圏に於ける都市再開発事業や東京オリンピック関連施設建設需要等の高まりを受けて高騰を続ける建設市場に対応すると共に、新庁舎建設予定地の支持地盤性状に伴う設計変更を行ったことから、日向市は新庁舎の建設事業費を見直す。
基本構想段階で、他市に於ける庁舎建設工事単価の平均値として採用していた32万円/m2に関して、近年の労務単価や建設資材の上昇を踏まえ、当初の約25%増となる43万1千円/m2に工事単価を見直す。単価の増額に伴い、第1期建設工事費は基本構想段階から約10億円増えて、49億6000万円を見込む。
建設工事費以外の事業費に関しては、▽新庁舎建設工事監理費=4000万円▽現庁舎解体費=2億円▽外構・植栽工事費=3億2301万円▽委託料・賃借料=1598万円▽事務費=600万円―を想定しており、建設工事費にこれらの事業費を加えた総額は55億4500万円となる。
併せて、入札不調のリスクを少しでも軽減するため、事業スケジュールも一部見直す。全国的な課題である公共工事の入札不調に関して、工期が短いという理由で応札しないケースも見受けられることから、2018年1月オープンとしていた工期を4カ月程度延伸し、同年5月の大型連休明けオープンを目指す。