建通新聞社(東京)
2015/08/25
【東京】都 呑川防潮堤耐震化で基本設計
東京都建設局第二建設事務所は呑川の防潮堤耐震対策として、仲之橋付近から北糀谷橋付近までの延長約960b区間で対策工法の検討と基本設計を開始する。地盤改良や躯体の補強を中心とした対策を基本としつつ、工期短縮とコスト縮減につながる工法を絞り込む。これに伴い「呑川防潮堤耐震対策基本設計」の委託先を特定するための簡易型プロポーザル手続きを開始した。9月7日まで参加表明書と技術提案書を受け付け、提案内容の審査とヒアリングを経て特定。10月22日の見積もり合わせを経て業務を委託し、2015年度末までに成果を得る。
呑川は世田谷区桜新町の東急田園都市線桜新町駅付近を水源に、世田谷区や目黒区を通って大田区糀谷から東京湾に注ぐ延長14・4`の2級河川で、上流域は暗渠化し下水道として利用している。
耐震化を検討する区間は、下流域の大田区蒲田4丁目〜北糀谷2丁目付近で、仲之橋から京浜急行線や第一京浜(国道15号)をくぐり、北糀谷橋に至る延長約960b。コンクリート構造の防潮堤を、頻度は極めて低いものの甚大な被害の発生が想定される「レベル2地震動」に対応できるよう、地盤改良や躯体のコンクリート増圧、鉄筋挿入といった工法をベースに補強方法を考える。
今回の業務を通じ、レベル2地震動に対する耐震性能を照査した上で、防潮堤の安定性と構造を検討。仲之橋〜宝来橋間の延長700b(弾正橋〜夫婦橋区間を除く)で対策の基本的な方向を位置付ける。宝来橋〜北糀谷橋間の延長260b区間については、堤防高や基礎地盤、施工条件などを踏まえた対策工法を検討し、経済性や施工性などを踏まえた最適な工法を絞り込み設計にまとめ、仮設計画を含めた施工計画を作成する。納期は16年3月14日。
プロポーザルに当たり、耐震対策の早期完了に向けた工期短縮とコスト縮減策とともに、河道内の地盤改良済み箇所での仮設計画についての提案を求める。